〈リポート〉アポロアマチュアナイトジャパン・プロジェクトコーディネイター 松尾公子
544 6th AveとWAKASA、アジア人としては初の決勝特別ゲストとして出演
日本を代表する芸能プロダクション「吉本興業」が世界初の公式ライセンスを取得し、今秋、日本で開催した「アポロアマチュアナイトジャパン2019」の優勝者544 6th Ave(ファイブフォーフォー シックススアベニュー=愛知)と、WAKASA(ワカサ=東京)が11月27日、本場NYハーレムのアポロシアターアマチュアナイト「スーパートップドッグ(年間優勝決定戦)」に招待され、アジア人としては初の決勝特別ゲストとして出演した。
544 6th Aveは、中学〜大学生4人からなるアニメーションヒップホップダンスグループ。「和」のテイストを取り入れた音楽と衣装で、11月13日の日本決勝では観客の声援を最も獲得し優勝、賞金100万円を手にし、ニューヨークではその斬新さとキレキレのダンスで世界の観客を魅了した。
「これまでオーディションを受けようと思ったことはなかったけど、今年アポロアマチュアナイトが日本に上陸すると聞いて、これは受けるしかないと思いました」と語る、歌の講師としても活躍していた実力派シンガーWAKASAは、大ヒット映画「The Greatest Showman」の「Never Enough」でオーデションから勝ち上がり、決勝ではNYアポロプロデューサー特別賞に選ばれて、人生初のニューヨークが招待旅行となった。
通常、NYアマチュアナイト出演者は共同の楽屋使用だが、ゲスト待遇は3階の完全個室楽屋、しかも米メディアから英語での取材も受けるという、まさに初めてづくしのアポロアマチュアナイトジャパン優勝者たち。そのパフォーマンスは、インターネットストリーミングで世界同時ライブ配信された。アイドルではなく“実力派”の日本のアーティストが世界でも活躍できる時代が来る、その光がはっきりと見えた気がした。
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来年、吉本興業は、さらに枠をアジアに拡大し、「アポロアマチュアナイトアジア2020」を開催すると発表。詳細は後日公式ホームページ(https://apolloamateur night-japan.com/)で発表される。
オールジャンル、オールエイジの才能。観客には「出身地と名前」しか知らされない。どんなバックグラウンドか、受賞暦、経験年数、年齢とか…そんな付加価値ではなく、目の前で何を魅せるか!だけで、観客も「KY」「忖度(そんたく)無し」に、スタンディングオベーションか、Boo─か、素直にその才能にレスポンスする。今まで日本にこんなシビアで優しい場所があっただろうか? 2020年は東京オリンピックイヤー。ぜひエンタメのオリンピックとして皆さんに応募、または観客として参加してほしい。
(写真はいずれも提供)
(2019年12月7日号掲載)