3月末、ソーホー地区、マルベリー通りの角、プリンス通り47番地にレストラン「Momoya SoHo」がオープンした。
2階建ての店内は窓に囲まれ、にぎやかな交差点の喧騒(けんそう)や歴史ある教会を一望できる。店内に入ると、12席のパイン材の寿司バーが目に飛び込む。ここでは向井渉丈シェフのおまかせコース(150ドル)、前菜、江戸前にぎり15貫、デザートを味わえる。
1階は、2人掛けのテーブルを中心に、2階では、大人数でも食事できる作りとなっている。
奥田徹也シェフが仕切る厨房の目玉は、季節の八寸、刺し身、お椀、焼き物、揚げ物、寿司(すし)、水菓子などからなる「料理長おまかせ懐石」(150ドル)。また、アラカルトでは、那須田楽、揚げ出し胡麻(ごま)豆腐、茶碗蒸し、雲丹蕎麦(うにそば)などや、大根のラム西京焼き、みそとユズに漬け込み、杉でスモークしたサーモンの元焼などを提供している。
ペストリーシェフ、植松成枝さんによるデザートセレクションはオーナーのイチオシ。グレープフルーツとさわやかなホワイトチョコミントアイスクリームを添えたジャスミンティーのブリュレ、ココナッツアイスクリームを添えたピンクパイナップルのわらび餅、ほうじ茶のラムレーズンアイスクリームとキャラメライズバナナのミルフィーユオバナニーズなど、垂涎(すいぜん)の逸品ばかりだ。
ニューヨークには日本食レストランが数多くあり、飽きることがないように思われるが、寿司やラーメンなど、特定のジャンルに特化した店が多い。Momoya SoHoは、コンテンポラリーでスタイリッシュ、そしてアーティスティックな空間で、自分流の食事を楽しむことができる。
グループの3店舗として市内に新たなコンセプトでオープンしたソーホー店に注目だ。
(2022年4月9日号掲載)