ニューヨーク公共図書館は全て、追って通知があるまで一時的に休館となりました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、同図書館が検討して決定したものです。
詳しくはこちらをご覧ください。
また、5月末まで、全ての場所での対面式の公開プログラムとイベントを全て一時停止、延期も決定しました。詳しくはこちらをご覧ください。
今年で創立125周年を迎えるニューヨーク公共図書館(NYPL)が、さまざまなイベントや企画を催し、盛り上がりをみせている。1895年に創立されたNYPLは、マンハッタンやブロンクス、スタテン島に及ぶ3地域で92カ所の図書館を展開。蔵書数は約5300万冊にも及ぶ、世界屈指の公共図書館だ。
●「私たちが愛する125冊」発表
NYPLは2月14日、「125 Books We Love(私たちが愛する125冊)」を発表し、大きな注目を集めている。エッセー、詩、ノンフィクションやロマンス、サスペンスなど小説といった12のカテゴリーから選書。「文学的にメリットがある作品」「125年間で出版された本」などを基準に、司書らが約1年かけて厳選した。村上春樹さん作『ねじまき鳥クロニクル(英題:The Wind-Up Bird Chronicle)』や、2017年ノーベル文学賞を受賞した日系英国人小説家カズオ・イシグロさん作『日の名残り(原題:The Remains of the Day)』もリスト入りを果たした。
書籍は全て92カ所のNYPLで貸し出し可能。さらに、NYPLの無料の電子書籍リーダーアプリ「SimplyE(シンプリー・イー)」で、125冊が無料で楽しめる。キッズやティーン向けのリストは、年内に発表予定。
125冊の書籍リスト発表に伴い、ハッシュタグ「#LoveReading」キャンペーンも実施中。お気に入りの本と共に、インターネット交流サイト(SNS)に写真を投稿して、感想や意見など、すてきな読書体験を共有してみよう。
【書籍リスト一覧】www.nypl.org/books-more/recommendations/125/adults
【SimplyEダウンロード】www.nypl.org/books-music-movies/ebookcentral/simplye
●歴代貸し出しトップ10
1月13日、125年にも及ぶ歴史の中で、最も多く貸し出された上位10冊の書籍ランキングを発表した。1位に輝いたのは、エズラ・ジャック・キーツ作の児童書『The Snowy Day(邦題:ゆきのひ)』。これを記念して、同書の表紙デザインが印刷された図書カードおよび、メトロカードを限定発行中。メトロカードは特定の10駅のみ購入可能。両カードともに無くなり次第サービス終了。
【貸し出し数ランキング・トップ10】www.nypl.org/125/topcheckouts
【取り扱い駅一覧】www.nypl.org/125/snowydaymetrocard
●ポッドキャスト「The Librarian Is In(ザ・ライブラリアン・イズ・イン)」新シーズン開始
NYPLによるポッドキャスト「The Librarian Is In(ザ・ライブラリアン・イズ・イン)」の新シーズンが2月13日から開始した。メインパーソナリティーを務めるのは、ジェファーソン・マーケット図書館に勤めるマネジャーのフランク・コレリウスさんと、ションバーグ黒人文化研究センターのルホンダ・エヴァンスさん。
番組では、「私たちが愛する125冊」をテーマに、ポップカルチャーなどさまざまな分野を織り交ぜながらトークを展開する。隔週放送。「Apple Podcasts(アップル・ポッドキャスト)」「Spotify(スポティファイ)」または「Google Play(グーグル・プレイ)」で視聴可能。
【過去のエピソードはこちらから】www.nypl.org/voices/blogs/blog-channels/librarian-is-in
●125周年記念グッズ販売中
館内併設のギフトショップでは、125周年を記念したグッズを販売中。カラフルなデザインがバッジ風にプリントされた「ボタン・トートバッグ」(15ドル)や、高級感漂う「レザー・トートバッグ」(125ドル)など。1年間の限定販売。
「私たちの愛する125冊」からランダムに選出された10冊を詰め込んだ「ミステリーセット」(150ドル)では、新しい本との出合いも楽しめる。さらに、「歴代貸し出しトップ10」にランクインした10冊全てが、特別価格の125ドルで購入できる「Top 10 Checkouts of All Time Book Set(歴代貸し出しトップ10セット)」も開始した。
また、「私たちが愛する125冊」のブックリストを無料で作成できるサービスが登場。ショップ公式サイトからカートに入れると、PDFファイルがメールで送付される。ファイル内の3ページ分を印刷し、はさみとセロハンテープでDIYを楽しめる。図書館貸し出しカードを模した、レトロなデザインが特徴的。作成方法はウェブ参照。
【ショップ公式ウェブ】shop.nypl.org/collections/125th-anniversary
【DIYペーパークラフト・ブックリスト作成方法】www.nypl.org/blog/2020/02/25/125-books-we-love-list-download
●「BOOK OF THE DAY」で1日1冊、お薦め本の紹介サービス開始
NYPLから1日1冊、お薦めの本が紹介されるサービス「BOOK OF THE DAY(今日の本)」を開始した。「2020年をこれまでで最高の読書年に」をテーマに、専門知識が豊富なNYPL専門司書が選書。登録したEメールアドレスにニュースレターが年内いっぱい毎朝届く。
●スタブロス・ニアルコス財団図書館がリニューアルオープン
5月15日(金)、スタブロス・ニアルコス財団図書館(SNFL)が5番街40丁目にリニューアルオープンする。全面的な改修が行われ、モダンな図書館に生まれ変わる。全てのニューヨーカーのための新しい公共スペースとして設計されたSNFLには、4フロアにわたる一般閲覧室、ニューヨーク市内最大の成人学習センター、子ども・ティーンセンター、ビジネスセンター、無料公開の屋外テラスにはカフェやイベントセンターなどが備わっている。年間170万人以上の来場者が見込まれ、NYPLで最大規模の図書館となる。
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毎日20分の読書習慣をニューヨーカーに呼びかけているNYPL。全年齢向けに各種イベントを開催するなど、今後も目が離せない。
【各種イベント一覧】d8.nypl.org/125/programs
(2020年2月29日号掲載)