貴乃花氏、NY大で講演 中高生向け夏季親子特別研修で

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力士時代の話や相撲道など語る

「私の人生は常に父に導かれて今の自分がある」

講演する貴乃花光司氏=7月27日、ニューヨーク(撮影:工藤)

大相撲の平成の大横綱、貴乃花光司氏が7月27日、マンハッタンのニューヨーク大学で中高生向けの特別講演「稽古と心(スピリット)」を行った。

同講演はニューヨーク大学が主催した「2019年NYU中高生夏季親子特別研修㏌ニューヨーク」の一貫として、研修の最終日に行われた。日本から参加した中高生ほか小学生や大学生、またその保護者らが多数駆け付けた。

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貴乃花氏はまず自らが歩んできた相撲人生を幼少の頃から振り返り、相撲の世界に入ったきっかけや、父親が元力士で親方だった環境などを話した。

15歳で入門し、17歳の若さで新十両に昇進し世間をにぎわせていた貴乃花氏だが、当初は記録に興味がなく、ただ「強くなりたい」という一心で稽古に励んでいたという。19歳で幕内初優勝し、22歳で第65代横綱となり30歳で引退するまでの心情や、相手の激しい挑戦を受け続ける横綱の厳しさなど、きれい事だけではない正直な気持ちも語った。

また、相撲道が「住まう」という言葉に由来し、日本人の生活や文化と密接につながること、土俵やまげ、「はっけよい」という掛け声の持つ意味など、日本古来の神事と関わりの深い相撲のバックグラウンドを解説、興味深い話に参加者は聞き入った。さらに、相撲で強くなるための体の動かし方や力の入れ方、四股(しこ)がアスリートだけではなく一般人が健康を保つために体を鍛える良い方法であることなども分かりやすく説明し、実際に四股を踏む動きも披露した。

参加者からの「相撲をやめたいと思ったことは」との質問に、「実家と稽古部屋が同じ建物内にあったので、帰る実家がなく、帰りたいと思う余裕がなかったのが現実だった」と、答えつつも、「相撲をしていなかったらどんな仕事についていたか」との質問には「父がやった仕事を継いだと思います」と即答。「私の人生は常に父に導かれて今の自分がある」と父親の存在の大きさとともに、尊敬の念も語った。

最後には、自分の夢に近づくために勉強を続けることが必要なこと、両親への感謝の気持ちや言葉が自分自身の力に変わることを強調し、子供たちへの励ましのメッセージを送った。

姿勢を正す方法を身振り手振りで説明する貴乃花光司氏=7月27日、ニューヨーク(撮影:工藤)

姿勢を正す方法を身振り手振りで説明する貴乃花光司氏=同

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昨年、日本相撲協会を退職し、その後の身の振りが注目されていた貴乃花氏だが、「海外に向けて相撲文化、日本文化を広めていきたい」という意向が報道されていた。相撲の海外進出は米国、欧州、アジアなどで巡業や公演が行われているが、元横綱による単独での米国講演は初となる。

貴乃花氏の本紙単独インタビューはこちら

【一般社団法人貴乃花道場公式サイト】https://takanohanadojo.or.jp/

2019年8月3日号掲載)

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