想田和弘監督新作「精神0」 MoMA映画祭で上映

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ニューヨークを拠点に国際的に活躍する映像作家、想田和弘氏の新作ドキュメンタリー映画「精神0」(英題:Zero)=写真はポスター=が、2月5日から19日にニューヨーク近代美術館(MoMA)で行われる「第19回ドキュメンタリー・フォートナイト映画祭」へ招待された。同作は、今年のラインアップのセンターピース(目玉作品)としてプレミア上映される。

想田監督は、台本やナレーションを使用しないドキュメンタリーの手法「観察映画シリーズ」を2007年から手掛けており、同作はシリーズ9作目となる。

主人公は、シリーズ第2弾として発表した「精神」(08年)の主人公でもある精神科医の山本昌知医師夫妻。「精神」では、精神科診療所「こらーる岡山」を拠点に、患者本位の医療を実践する“赤ひげ先生”と慕われ、1960年代に精神科病院の鍵を外す運動の先頭に立った山本昌知医師の姿を描いた。その山本医師も82歳を迎え、医療の現場から引退することになり、長年山本医師を命綱のように頼りにしてきた患者たちに動揺が広がる。一方、山本医師の仕事を陰で支えてきた妻の芳子さんは、重い認知症を患い介護を必要としていた。まだ肌寒さが残る春、二人の新たな生活が始まる。128分。英語字幕。

上映は14日午後7時、18日午後4時からの計2回となり、14日には想田監督と監督補佐の柏木規与子氏によるQ&Aセッションも行われる。

同映画祭は毎年、既存の認識や従来の形式に捉われないノンフィクションのドキュメンタリー映画を世界各地から選出し、上映している。今年の作品は全38カ国からで、北米初上映は17作品となる。

■概要
【日時】2月14日(金)午後7時〜(Q&Aセッションあり)、18日(火)午後4時〜
【会場】The Museum of Modern Art T1 Floor
【場所】11 W 53rd St
【ウェブ】www.moma.org/calendar/film/5193

(2020年1月18日号掲載)

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