女性シェフによる色鮮やかなシチリア料理専門店
イタリア半島の西南に浮かぶ美しい島、シチリア島。海の恵みと山の恵み両方が享受できるこの地の郷土料理をニューヨークのマンハッタンで堪能できるのがシチリア料理専門店「Bar Eolo – Sicilian kitchen & wines」だ。
幼少のころから祖母の生まれ故郷、シチリア島の美しさと豊かな食文化に魅了されたというオーナーシェフのメリッサ・ムラーさん。シチリア料理についての書籍も執筆し、シェフの領域を越えてシチリア料理とその文化の研究者でもある。日本への留学経験もあり、実は日本料理とシチリア料理には類似点が多いと話す。
◇ ◇ ◇
地中海のほぼ中心に位置するシチリアは、ギリシャ人、ローマ人、アラブ人、スペイン人、フランス人などさまざまな民族に支配されてきた。この影響を受けて形成された料理のため、魚介類は焼くだけでなく、刺し身やたたき、また保存食に加工するなどの料理法を用いる。それらと山の幸、肉類やチーズなども組み合わせて料理を作りあげるなどバラエティー豊かだ。
人気メニューの「Lemon tagliatelle with lobster(24ドル)」もそんな1皿。ロブスターを使ったタリアテッレ(太麺パスタ)に、ホウレン草やチェリートマトで味に変化を付け、カリッと仕上げたアーティチョークをアクセントに。リコッタチーズに、キャンディー加工をしたフルーツ、ピスタチオをレイヤー状に美しく配置したデザートの人気メニュー「Cannoli millefoglie(11ドル)」も、細やかなデザインと味のバランスが日本のデザートを思わせる。
シチリア料理への愛と尊敬をこめてキッチンに立つムラーさん。彼女の人柄と料理の腕にほれ込んだ常連客でにぎわう同店へ、旬の食材が豊富に味わえるこの季節にぜひ訪れてみたい。
(「WEEKLY Biz」(ニューヨーク)2014年6月21日号掲載)
Bar Eolo – Sicilian Kitchen & Wines【住所】190 7th Ave(bet 21 & 22 St)NYC
【電話】646-225-6606
【ウェブ】eolonewyork.com
【営業時間】ランチ 月―金 午前11時~午後5時
ブランチ 土・日 午前11時~午後5時
ディナー 月―木 午後5時~11時、金・土 午後5時~午前0時、日 午後5時~11時