「大変動の時代を生きる」がテーマ
参列者に長期的な震災支援を呼び掛け
ニューヨーク倫理友の会は11月10日、名門プライベートクラブとして100年の歴史をもつニューヨーク・アスレチッククラブで第11回年次総会を開催。今回の総会は、社団法人倫理研究所理事長の丸山敏秋氏が「大変動の時代を生きる~東日本大震災からの出発~」をテーマに講演を行った。
「観測史上前例のないような地球の異変が頻発している」─。ことし3月11日に発生した東日本大震災の現場に自ら足を運び、見えない恐怖に怯えた東日本・太平洋岸の人たちに触れ、津波のすさまじい破壊力によって流された町の姿を目にし、がくぜんとしたという丸山氏。その一方で、一日も早い復興のために懸命に働く自衛隊の頼もしさ、災害という苦難を乗り越え、前に進もうとする被災地の方々に強さを感じたという。
「災害という苦難が人を強くし、倫理性を高める」─。そんな中、震災発生から8カ月経った今、マスコミ報道もそれほど多くなくなっていることもあり、人々の記憶の中からその存在が薄れてきている傾向にあることにふれ、この記憶を消してはいけない、長期的支援の心を持つことが必要、と参加者に呼び掛けた。
離れていても、できることがあるのではないかと、今一度考えられさせられる在米日本人にとって意味のある総会となった。
「倫理研究所」では震災直後の4月、被災者に凛々(りんりん)たる勇気と元気を持ってもらおうと「りんりん基金」を設立。すでに寄せられた寄付は1億7172万円を突破(10月末現在)し、倫理研究所が拠出した3億円と合わせると基金総額は4億7172万円になる。今後も息の長い支援を行っていくという。
(2011年11月19日号掲載)