集夢計画15「1枚のTシャツからドラマが始まる(台湾編)」

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アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第19回

現在、台湾で「ニューヨーク・モンテッソリ幼稚園」の園長をしている羅文喬と子ども達と一緒に

現在、台湾で「ニューヨーク・モンテッソリ幼稚園」の園長をしている羅文喬と子ども達と一緒に

夢を集めて映画を作る企画:集夢計画のPRTシャツを台湾で初めて買ってくれたのは、NYU(ニューヨーク大学)で同期だった羅文喬(ロー・ウンチャオ)。

「応援したいので、Tシャツを100枚ください」。当時大学の教員だった彼女に、「100枚も大丈夫?」と尋ねると、「1カ月の給料分応援します。100万枚のペニー像の時には応援できなかったので。卒業後、私は台湾に戻り、ニュースでその完成を知りました。当時は、ただペニーを集めてアートを作っているくらいにしか思っていませんでしたが、『林世宝ペニー伝奇(※)』を読んでとても感動しました。制作過程にある心の交流、1枚のペニーにまつわる物語、それら一つひとつ全てがアートであるという姿勢、考え方に共感しました。今回もTシャツを買ってくれる人にこうして直接会って記録し、将来脚本化して映像にするという夢なのでしょう、成功を祈っています。それにしても、あなた達芸術家は、何度でも制作できるのですね」。

「もちろん。芸術、創作の世界では、無限の青春を作り出すことができる。芸術家が自慢できるのはこれだけじゃないですか。しかし、『言うは易く行うは難し』の言葉通り、理性と感性の対比が強烈なほど難易度も高く、集夢計画は私の中での最高レベル。それは覚悟の上で、意志力を最大にして、パズルのピースを組み合わせているところです。ただ望むのは、時間が経っても、あなたの人生の中で私と一緒にした行動が、忘れられない良い思い出となってほしい、それが私のアートなのですから」

「千金易得、易友難尋(金を得るのは容易いが、良き友を得るのは難しい)」「路遥知馬力、日久見人心(遠い道程ほど馬の力が分かる、時が経つほど人の心が見えてくる)」。私を理解し、応援してくれる友に感謝。

チャイニーズエリアで出版された「林世寶的一分銭伝奇」2003年

(次回は12月17日号掲載)
林世宝

〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック

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