〈コラム〉「そうえん」オーナー 山口 政昭「医食同源」

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マクロビオティック(5)

桜沢如一の説く健康の六大条件は、
(1)疲れない
(2)ご飯がおいしい
(3)よく眠れる
(4)物忘れをしない
(5)愉快である
⑥身なりや身の回りがいつもきちんとしている
自己採点するように彼は言っています。私が合格点を取れるのは(1)と(2)と(4)です。
(1)疲れないというのは、激しい運動をするわけでも力仕事をするわけでもないので、あまり疲れたと感じることはありません。運動は嫌いな方ですが、歩くのは好きです。移動するのも歩きか地下鉄です。タクシーもめったに乗りません。車がどうしても必要なときはレンタカーを借ります。休日もありません。一週七日働きます。身体を動かしている方が、妄想にとらわれなくていいのです。
(2)ご飯をおいしく食べたいのは、だれもいっしょです。ふだんは玄米を食べていますが、週に一度は近所のレストランに白米を食べに行きます。1年前に、おそらく世界ではじめての玄米だけの寿司カウンターをつくりましたが、白米の寿司を食べに行くこともあります。息抜きのようなものでしょうか。
(4)物忘れをしない、というのも、まあ、いい方でしょう。覚える力は若いときにくらべたら悪くなっていますが、頭は逆によくなったような気がします。考えることによって、脳を鍛えてきたからでしょう。
問題は(3)と(5)です。朝まで一度も目が覚めないというのは、もう何十年とありません。夜中に必ず目が覚めます。気になることがあるときは再び眠るのにも苦労します。時間をむだにするのがいやなので、寝つけそうになかったら、起きてパソコンに向かうか本を読みます。
(5)もまた私にとっては大変な難題です。心配性なせいか、なかなか愉快な気持ちになれないのです。愉快な気持ちを持つにはどうしたらいいのでしょうか。?おそらく心から楽しめるようなことをすることです。創作する、新しいことにチャレンジする、他人のために働く、本を読む、勉強する、気心の合った人としゃべる、おいしいものを食べる、など。楽しいことをいっぱいすれば、ずっと愉快でいられるはずです。(6)も大切です。身なりをきちんとしていれば、精神も引き締まります。おしゃれですね、とほめられればうれしいものです。
(次回は3月17日号掲載)〈プロフィル〉山口 政昭(やまぐち まさあき) 長崎大学経済学部卒業。「そうえん」オーナー。作家。著書に「時の歩みに錘をつけて」「アメリカの空」など。1971年に渡米。バスボーイ、皿洗いなどをしながら世界80カ国を放浪。 過去の一覧

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