日本クリニック「医療の時間」第17診
最近よく耳にするスマートフォン。既に持っている方も多いと思いますが、皆さんはスマートフォンが日ごろのエクササイズに役立つことを知っていますか?
運動による減量とそれを継続させることは、とても小さな評価の積み重ねです。アメリカスポーツ医学大学の今月発表された研究結果によると、一般的に、人はリアルタイムで評価を受けた方が、より運動を継続させることができるとのことです。自己観測は個人の行動傾向を自覚させ、現状況での身体能力の閾値(いきち)に到達することを促すためにとても大切です。
同大学研究チームは189人の肥満成人を対象に基準値と6カ月後の結果を発表しました。参加者は次の自己観測方法から一つが割り当てられます。その記録方法とは(1)書類記録のみ(2)スマートフォンによる記録のみ(3)スマートフォンによる記録と毎日の評価メッセージを得る方法(毎日の評価メッセージ中には、それぞれ目標を達成した人には賞賛のメッセージ、達成できなかった人には励ましのメッセージなどが加えられています)の3通りです。
結果は、成人でスマートフォンによる評価メッセージを受け取った者が他の記録方法を使用した者と比べて、より継続して運動を行い、6カ月後に一段と減量し、高い身体活動を行ったことを示しました。スマートフォンが運動プログラムを継続させる助けになったといえます。
このようにスマートフォンなどで、リアルタイムの評価を提供することは、ただ運動プログラムの調整を助けるだけでなく、継続させることに役立ちます。評価メッセージは参加者に誰かに注目されていることを意識させ、ゴール達成に対して強い助けとなるでしょう。
皆さんも是非文明の機器を利用して、健康のため、スマートに運動をしましょう!
レッツエクササイズ!
〈今回の執筆者〉ケン・ヴィターレ医師/Kenneth C. Vitale, MD
日本クリニック/15W 44th St. 10FL. NY,NY 10036
スポーツ医学、理学医療科、リハビリテーション科。NY大学医学部卒業。NYU Harkness Center for Dance Injuriesにて資格取得。アメリカ大学スポーツ医学会(ACSM)、東京大学、ヨーロッパなどで講演を行う