日本クリニック「医療の時間」第21診
今年もホリデーシーズンがやってきましたね! 皆さんも豪華なディナーを心待ちにしているかと思いますが、その後どうしても体重が増えてしまいますよね。今回は長距離ランナーにとって良いニュースです。研究によると、カロリーの多い肉料理をたくさん食べても、マラソン選手にはあまり影響しそうにないということが分かっています。
一日の走行距離によって五つのグループに分けられた(2キロ以内、2〜4キロ、4〜6キロ、6〜8キロ、8キロ以上)、10万7000人のランナーを対象にした最近の研究によると、多量の肉料理と少量の野菜果物を食べた場合、走行距離が短いランナーほど、体格指数(BMI注)とウエストサイズに著しい増加が見られました。
しかし、この食事の変化による体重増加の傾向は、8キロ以上走るランナーで50%以上減少し、一日2キロ以上走っているランナーでも体重増加の傾向に多少の減少が見られました。
普通、たくさんの肉と少しの野菜果物を食べる人には、BMIとウエストサイズの増加が見られます。これらから分析されることは、この関係はランナーが毎日の走行距離を増やすことで減退することを指し示しています。毎週走行距離を増やすとさらに食事による体重増加効果を減少させることができるとみてよいでしょう。
脂肪燃焼効果の増加の理由に高いレベルの運動と関係があるほか、長距離ランナーのバランスのとれた普段の食事による効果とも考えられます。
これらの結果は、たとえ肉がメーンで野菜果物の少ない食事をしていても米国の身体運動ガイドラインの規定を超える運動をしているランナーは、体重増加のリスクを抑えることができることを示唆しています。
そのほか、私たちの他の研究データからは、ウオーキングでも効果が出ていることが分かっています。
皆さん、楽しいホリデーシーズンです。ちょっとはめを外して食べ過ぎてしまっても大丈夫。しっかりその分運動もして健康な体形を維持しましょう!
Have a Happy Holidays !
注)BMI:体格指数のこと、体重÷身長÷身長で算出される体重の指標。 それぞれの身長においてBMIが22となる体重を「理想体重」とすることを提案している。
(参照:アメリカスポーツ医学大学の研究報告より)
(次回は1月21日号掲載)
〈今回の執筆者〉ケン・ヴィターレ医師/Kenneth C. Vitale, MD
日本クリニック/15W 44th St. 10FL. NY,NY 10036
スポーツ医学、理学医療科、リハビリテーション科。NY大学医学部卒業。NYU Harkness Center for Dance Injuriesにて資格取得。アメリカ大学スポーツ医学会(ACSM)、東京大学、欧州などで講演を行う。