日本クリニック「医療の時間」第28診
自分の健康は、一般的には自身の選択と生活環境からのサポートで成り立ちます。米国スポーツ医学大学から今月発表された、米国内50都市の今年の米国健康指数ランキング(AFI=American Fitness Index)によってその理論が正しいという認識がさらに強まりました。
ランキング1位はミネアポリス市でした。肥満と喫煙量の増加が見られるオクラホマ市は最下位でした。
11月から4月まで寒く雪の降る都市が首位なんて、この結果はおかしいと首をひねるかもしれません。しかしミネアポリス市の政府は公園建設に力を入れています。そしてたくさんの運動施設がメーンストリートのいたるところに増設されています。
82・9%のミネアポリス市民が、最近1カ月以内になんらかの運動をしたと報告しています。この結果は他50都市で一番高い数値でした。
AFIの結果によると、BMI(体重指数)、テニスコートの数、喫煙者数、運動施設の場所など、いろいろな要素がこの結果につながっているとのことでした。
健康な都市の2位以下のベスト5はワシントンDC、ボストン、サンフランシスコ、ハートフォード(コネチカット)でした。オクラホマ市以外の下位5都市はバーミンガム、ダラス、ルイスヴィル、デトロイトでした。
AFIの研究によると、公共の場所での禁煙、自転車走行レーンの設置など、政府の政策決定が市民の健康へ劇的な影響を与えることが分かっています。
ニューヨーク市は前年より8ランク上がり、今年は22位でした。ブルームバーグ市長の糖分の多いドリンクやファストフードについての警告の広告を目にした人も多いでしょう。政策による公共での禁煙場所の拡大や自転車走行レーンの増設がこのランクアップに多いに貢献したと考えられます。その上、同研究では緑地の多さが、大人と子供の公園の使用をさらに促しており、単純に公園やプレーグラウンドの設置が大きな違いを生むことも分かっています。
最近さらにニューヨーカーは公園に出て、ヨガ、フリスビー、マラソンなど、さまざまなアクティビティをしています。今年は夏に向けて、ランニングやトライアストンのイベントもたくさんあります。さらに、最近は普通のフィットネスクラブだけでなく、ヨガ、ピラティスを含む、ストレッチタイプやズンバなど有酸素運動の取り入れているスタジオが多くあります。私個人の意見としては、こうしたことも30位から22位へのランクアップにつながったと思います。今もとても良い結果ですが、これに満足せず、この調子で来年はトップ20を狙いましょう!
Keep exercising New Yorkers !
(参照:米国スポーツ医学大学の研究報告)
(次回は8月18日号掲載)
〈今回の執筆者〉ケン・ヴィターレ医師/Kenneth C. Vitale, MD
日本クリニック/15W 44th St. 10FL. NY,NY 10036
University Ortho of NY/23-18 31st St, #210, Astoria, NY 11105
スポーツ医学、理学医療科、リハビリテーション科。