〈コラム〉法律の専門家がお答えします

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今週は「シンデル法律事務所」

ニューアーク空港でのH―1B保持者に対する厳しい入国審査

米国移民弁護士協会(AILA)米国税関国境警備局(CBP)連絡委員会が当協会メンバーから最近受けた報告によると、ニュージャージー・ニューアーク空港では、特定のビザスポンサー会社で働くH―1B保持者に対し、明らかに厳しい入国審査が執り行われているということです。
当空港において入国審査官がH―1B保持者に対して尋ねる主な質問は、どこの会社に勤めているか、給与額はどのように計算されるか、誰が給与を支払うか、職務内容は何か、給与額はいくらかなどです。
また、米国への入国が適切かどうかの判断については、その総合的なビザ申請および雇用状況を基にケースバイケースで審査がなされます。これらの審査に対し不適切であると判断された場合は、入国申請取消し、またはその場での米国外への即退去が命じられる場合もあります。
政府の新方針によれば、この厳しい質問審査はH―1B保持者に限らず、L―1ビザやその他の非移民ビザ保持者に対しても無作為に実施されています。列を成して実施される通常の入国審査において疑わしい何かが発覚すれば、空港の別室に通され、さらなる質問が科せられ、ケースによってはビザ申請書類も入念に審査されます。仮に申請書に矛盾があった場合、対象者はその場で入国を自主的に取りやめるか、米国からの即退去処分となるでしょう。
一方、永住権保持者のうち、1998年以降に前科がある場合、入国の際に拘束される可能性があるとの報告も上がっています。対象となる永住権保持者が解放される唯一の例外は人道的理由がある場合のみで、情状酌量となる例として、当該永住権保持者に子供が同行しており、ほかに子供を引き取りに来られる人がいない場合などが該当します。また、2年の条件付きの永住権を保持する者がその条件を外すためのI?751申請を移民局に行い、それが審査中で、移民局からの申請受領書またはADIT永住権保持者査証を手元にニューアーク空港から入国を行う場合、審査官はその申請が正当なものかどうかを確認するために、空港の別室で2回目の入国審査を行います。
以上のことからも、H―1B保持者をはじめ、ビザ保持者はみな、入国ごとにそのような厳しい質問や対応が施される可能性があることを常に念頭に置き、厳しい質問に正当に返答するためにも、ビザの申請書の内容を全て再確認し、申請内容の正当性を高めるためにも何らかの証拠書類を持参することがとても重要となります。同様に、スポンサー会社側も、ビザを持つ従業員の入国に対して、常に各従業員の申請内容をしっかり把握しておく必要があるでしょう。

(「WEEKLY Biz」2010年9月11日号載)
sindel_faceup〈今週の執筆者〉 弁護士 デビッド・シンデル(David S. Sindell – Attorney at Law) NY、NJ州公認弁護士、NY弁護士会会員 アメリカ移民法弁護士協会会員 1994年NYマンハッタンにシンデル法律事務所を設立。移民法を専門に扱う。以後1万件以上のビザ、永住権等の取得実績を誇る。2011年4月にはCA州シリコンバレーにもオフィスを設立。NY、CA、日本を中心とした法律セミナーの多数開催をはじめ、多数の日系情報誌にも法律記事を連載中で、在米日本人を中心に広く好評を得ている。米国在住の日本人とも交流が深く、米国を拠点に直接日本語で法律相談にも応じている。 〈今週の執筆事務所〉シンデル法律事務所 7 W. 36th St., 14Fl. NYC Tel:212-459-3800 Email:slony@sindelllaw.com Web:www.sindelllaw.com
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