〈コラム〉FXDD提供「米国在住の誰もが気になる為替と世界の事情」第1回

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貨幣

 今回より月に1回「お金」に関するコラムをお届けするFXDDです。
 今月は貨幣(コイン)について。米国では早ければ今月中にも債務が上限に達する可能性があり、大きな問題となっています。この債務上限問題の切り札として「1兆ドル硬貨の発行」作戦が浮上中。連邦法では、財務長官の権限でプラチナコインが発行可能と定めており(当然これは記念コインを想定)、この法律を悪用(!)して、額面1兆ドルのプラチナコインを発行し、米連邦準備理事会(FRB)に持ち込んで預金すれば、それ以後いくらでも(1兆ドルまで)小切手を振り出して国家予算に使える、つまり国債発行不要になるため債務上限問題は解決!という筋書きです。
 この作戦を仮に実行した場合、中央銀行の独立性の侵害、インフレ懸念などが考えられ「実現はほぼ不可能」というのが通説であり、米国財務省も「そういった計画はない」と否定していますが…百パーセントないとは言い切れません。
 同様の議論は日本でも度々起こります。いわゆる「政府紙幣」というもので、日本の紙幣はすべて「日本銀行券」であり、政府は硬貨を発行しているだけです。しかし、高額な貨幣の発行は禁止してはおらず、「記念紙幣」の発行は可能なのです。
 現在の財務相である麻生氏が首相時代に「検討する」と述べており(その後の政権交代で一旦白紙)、インフレ進行も中央銀行の独立性侵害も、今の安倍政権では障害とはならず、日本でも、これまた百パーセントないとは言い切れません。冒頭の米国の債務上限問題はとりあえず3カ月分の上限の引き上げが米国下院で可決されたので、1兆ドル硬貨の出番は回避されたようですが、これは単に時間稼きでしかなく、まだまだ予断は許されません。
(次回は3月9日号掲載)
〈情報〉FXDD World Trade Centerに本部を置くFXDDは世界180カ国に顧客を持つ為替ブローカー。日本語を含む13言語対応・24時間体制のカスタマーサポートでFX業界をリード中。親会社は世界28カ国でグローバルな金融サービスを提供しているTraditionグループ。
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FXDD_cbcp_2014_March21

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