〈コラム〉北米伊藤園企画「なるほど相談室」第2回

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今月のテーマ
「面接官が聞いてはいけないこと」

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回答者 HRM Partners, Inc. Partner 三ツ木良太氏

Q:面接官が面接時に聞いてはいけないことはありますか
A:年齢を想起させるような質問ももちろん、民族や宗教、性別、妊娠の有無、出身国などは聞くべきではありません。
Q:なぜ、そのような質問がいけないのでしょうか?
A:米国のほとんどの雇用主はEEO(Equal Employment Opportunity=均等な雇用機会=)の提供を法律で義務付けられています。EEOはさまざまな法律で構成されていますが、例えば 「年齢」については、「The Age Discrimination in Employment Act of 1967」とその修正条項で、採用、昇進、解雇、賃金、福利厚生、職業訓練などの雇用上の決定において、40歳以上の雇用申請者と従業員を保護しています。簡単に言うと、「40歳以上である」という理由だけで雇用上の決定をしてはいけないということです。従って、面接時に年齢を聞くべきではないということになるわけです。また、その他の法律で、民族、肌の色、宗教、性別、出身国、障害の有無、妊娠の有無、遺伝的特徴などに基づく雇用上の決定も厳しく禁止されています。
なお、今回は米連邦法について記載していますが、州法および市法などのローカル法で別に定められている場合には、それらにも従う必要があります。
Q:もしも聞いてしまった場合、どういったことが起こり得ますか?
A:厳密に言えば、「聞いてしまった」というだけで問題になるわけではなく、その情報が雇用上の決定に影響を及ぼしたかどうかが問題になります。例えば、Aさん(35歳)とBさん(45歳)の二人の候補者が採用面接を受けに来たとし02-itoenます。会社側は厳正に審査した上でAさんを採用したわけですが、もしも採用面接時に年齢を聞いていたとすると、不採用だったBさんから「自分は年齢が高い(40歳以上だ)から採用されなかった。これは年齢による差別だ」とクレームされる可能性が発生するわけです。
Q:日本ではこれらの質問は良いのでしょうか?
A:日本でも、「改正雇用対策法」で募集・採用時にかかわる年齢制限の禁止の義務化が課せられています。しかし、それまでの長い慣習の影響もあり、まだまだ実態としては浸透していないように見受けられます。

質問はこちらまで。

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