コーリン・ジャパニーズトレーディング代表取締役社長NPO法人 GOHAN Society会長 川野作織(12)

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家族へのメッセージの素敵な残し方

手紙の束には、私がニューヨークから両親に書いた手紙も入っていました。祖母が母に書いたものも入っていて、全部読んで、何回も読んで。両親が亡くなったから自分はこれを読んでいて、父が亡くなっただけでなく、とうとう母も亡くなって、お葬式が目の前で、だけれども自分の両親に巡り合ったような気持ちになったのです。私が生まれて、育ててもらって、私と一緒に居た間の「親」ではなくて、親もすごく若かった、その結婚前の20代の青春はどんな感じで、どういう性格の若い二人だったのかというのを父の手紙でものすごく鮮明に感じることができて、新しい発見がいっぱいありました。

自分の手紙や祖母の手紙は棺に入れて、全部燃やしたのですが、父から母への手紙は全部NYへ持って帰ってきました。ラブレターはきれいな字で几帳面に丁寧に書いてあって、真面目な人だと思っていたけれど、こんなにも真面目だったのか、とか、父はこんなにロマンティックだったのね、などと感じて、自分の子供や孫たちに自分のことがこういう感じで伝わって残っていくのはとても良いことだと思ったのです。

これを読んだことで、やっぱり自分の娘にも、私が小さい時から今日までどんな風に感じたり、思ったり、どんなことをしたり、興味をもったり、そういうことまで残せたら親子のつながりにも再発見があるんじゃないかしらと思い始めたのです。

私は娘のまりが生まれてからもいつも仕事ばかりで、全然かまってあげられなかったのですが、だからこそ文章を残しておいて、それを本にして家族だけに配るとか、そういう、家族の中へのメッセージの残し方は素敵だなと考えるようになりました。

(次回は8月24日号掲載)

kawano

かわの・さおり 1982年に和包丁や食器などのキッチンウエアを取り扱う光琳を設立。2006年米国レストラン関連業界に貢献することを目的に五絆(ゴハン)財団を設立。07年3月国連でNation To Nation NetworkのLeadership Awardを受賞。米国に住む日本人を代表する事業家として活躍の場を広げている。

(2019年8月17日号掲載)

●コラムまとめ●


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