乳がんの診断は最終宣告ではない

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乳がんと戦う2

早期発見と家族のがん歴史を知ることが鍵

「米国最先端臨床現場から」海外治療コンサルティングリポート 第133回

前回=1月13日号掲載=から、米国において、米国の女性間で最も多く診断されている乳がんについて説明を開始している。乳がんは、8人に1人が、女性の人生の中で1回は診断を受けるといわれている罹患率の高いがんである。

早期発見が生存率と大きく関連

以前は乳がんの診断は、最終宣告だった。しかし、世界保健機関(WHO)によると70%の乳がんは、死亡は避けることができるようになっており、この25年で43%も死亡率が改善しているのは、社会で、ピンクのリボンを見れば、対乳がんととわかるくらい、乳がんについて語られることが多くなり、乳がんに対する認識が高くなってきて早期発見が達成されていることが大きな理由のひとつである。

米国対がん協会(American Cancer Society)では、40歳に達した時点でマンモグラフィーを開始、また、家族に乳がんの患者が存在する場合は、推奨より早くに検査を開始するべきであり、74歳まで検査を行うことを推奨している。米国における乳がんによる死亡率は改善している反面、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)は、毎年、30~40代間の若い女性の乳がん診断が0・5%上昇、特に、40歳から49歳の女性間で、2%ずつ上昇していることを発表した。しかし、この乳がん発生の上昇は、実は、以前より早めに検査が行われていることから、早期発見が発覚し、数的に上昇している統計が出ている、という背景がある。

検査を奨励されている年齢以前でも、自己触診も有効で、しこりを見つけた場合は、すぐに検査に行くことも重要である。家族内での、がんの歴史について把握しておくことも強調したい。

乳がんは男性にも発生する

乳がんというと女性のがんという認識があるが、100人に1人の確率で男性にも発生する。女性同様、触診によるしこりや皮膚の変化があった場合は無視するべきではない。男性でもマンモグラフィーは可能である。

(次回は5月4日号掲載予定)

【執筆者】清水直子しみず なおこ) 学習院大学法学部卒業、コロンビア大学で数学を学び、ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネスでMBAを取得。マウントサイナイ医科大学短期医学スクール修了。メリルリンチの株式部で活躍し、2003年さくらライフセイブ・アソシエイツを設立。

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