代理出産の歴史(11)“商業代理出産、金銭報酬が関わる卵子提供や性別選択”はタイでは犯罪と明確に

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代理出産16

「米国最先端臨床現場から」海外治療コンサルティングリポート 第88回

代理出産医療コンサルタントである弊社にいただくお問い合わせ件数でトップ5に入る代理出産について説明しています。2013年にインドがほぼ代理出産の扉を閉じたことにより、多くの斡旋(あっせん)会社や外国人依頼者が、生殖医療に関する法的規制がなかったタイへ地を移したあと、14年5月にプラユット陸軍総司令官の指揮によるクーデターによりタイが軍(Junta)により支配され、プラユット陸軍総司令官が代理出産の取り締まりに着手し始めたことを前回お伝えしました。

プラユット陸軍総司令官(Prayuth Chan-ocha)にとって、商業代理母や男女産み分けの取り締まりは、改革リストのトップだったのは明らかでした。クーデター以前から、プラユット陸軍総司令官は、彼が指揮するタイの地が、怪しい男女産み分けの中心地となっており、何百人もの中国人が性別選択(男子性別選択)のために彼のタイ国を目指してやって来る、というリポートに嘆いていた、と聞きます。数年間、彼の国が商業代理母と男女産み分けの中心地になっている証拠をもとに、この超保守的な総司令官は7月24日にバンコクの12の生殖医療クリニックの手入れを指令しました。

中国人の男女産み分け(着床前診断)が引き金となり、タイの生殖医療クリニック手入れを報道した14年7月25日号のThe Nation誌によると「軍は生殖技術が、性別選択に使用されているとしたら人身売買に値する、と述べた。また、もし、タイで性別選択ができるとインターネットなどに広告を出し、サービスを促進しているとしたら、その情報を出しているホームページを運営している者は処罰される、と政府とタイ医療評議会同席のもと、メディアに発信した」と報道し、“商業代理出産、金銭報酬が関わる卵子提供、性別選択”は犯罪であることを明確にしました。

(次回は4月第1週号掲載)

さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子【執筆者】清水直子しみず なおこ) 学習院大学法学部卒業、コロンビア大学で数学を学び、ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネスでMBAを取得。マウントサイナイ医科大学短期医学スクール修了。メリルリンチの株式部で活躍し、2003年さくらライフセイブ・アソシエイツを設立。

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