代理出産の歴史(40)~代理出産に関するお問い合わせに対する回答(1)〜

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代理出産45

「米国最先端臨床現場から」海外治療コンサルティングリポート 第117回

代理出産医療コンサルタントである弊社にいただくお問い合わせ件数でトップ5に入る代理出産とその歴史についての3年半近くに亘って説明してきました。

代理出産という観念が当事者以外に知られていなかった10年ほど前では、規制や法律もなく、依頼者が購買力の差を利用し、インドでの代理出産が自由に行われおり世界中から依頼者が集中し、“赤ちゃん工場”と呼ばれるほど代理出産は活発に簡易に行われていました。2013年にインド政府からの介入をきっかけに、代理出産が世界中でニュースになり語られ始め、批判され、規制されてきたこの10年を振り返ってきました。近年、このように代理出産依頼が非常に難しくなってきている世界の代理出産において、昨年、21年にニューヨーク州が、この傾向とは逆の代理出産を歓迎する動きとして商業代理出産を合法にしたことを、現時点での代理出産の最新状況として前々回から2回に渡り=6月4日号7月2日号掲載=お伝えしました。

ウクライナとの戦下であるロシアは、去年から代理出産禁止への法律草案がすでに国会に提出され、立法化に向かう過程で現在進行形であること、政治的にも実質治療的にも不安定なウクライナは、代理出産に関して、今後も注意して情報を収集する必要があることを再度記しておきます。

◇ ◇ ◇

今回から数回、当シリーズ中、筆者へのお問い合わせで多かった質問と回答をご紹介していきます。

〈台湾の代理出産〉

まず、台湾の代理出産についてのお問い合わせがいくつかありました。日本から位置的に近い台湾での代理出産が可能か、というご質問です。現在、台湾での代理出産は合法ではありません。19年の5月に、台湾は、アジアでは初の同性による婚姻を認める国となりました。同性の婚姻を認めることにより、男性同性カップルにとっては代理出産へのアクセスが必要となりますが、代理出産関連の法改正が予定されているとも言われるなか、実質的には動いていません。

(次回は9月第1週号掲載)

さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子【執筆者】清水直子しみず なおこ) 学習院大学法学部卒業、コロンビア大学で数学を学び、ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネスでMBAを取得。マウントサイナイ医科大学短期医学スクール修了。メリルリンチの株式部で活躍し、2003年さくらライフセイブ・アソシエイツを設立。

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