〈コラム〉むち打ち症─首の損傷 まずカイロプラクティック医の診察を

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カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第146回

“夏休みドライバー(週末ドライバーのような運転に慣れていない、夏休みだけのドライバー)”が多いせいか、日差しの強さで前方が見えにくいせいなのか、最近、交通事故が多く、当院にもむち打ちの症状で来られる方が多くみられます。

最も誤解されているケガの一つ

皆さんは、むち打ち症(むち打ち損傷)のことを大抵ご存じだと思いますが、実は現代で最も誤解されているケガの一つだということは、患者さんも、医師(カイロプラクティック医以外には!)もあまり知らないのです。自分がケガをしていることに気付かない人がよくいます。後で多くの症状が出始めてもまだ、交差点で追突された時のことと結びつかないかもしれません。あの時、大した事故ではないと思い、両者ともケガはなかったようなので現場を後にしました。でもその後で、むち打ち症の症状が出始めたのです。

さまざまな症状

頸椎(けいつい、首の骨:七つあります)は、頭の重みと首の曲がりやすさのせいで、脊柱の中で最も損傷を受けやすい部分です。首の関節や筋肉などにダメージを受けると、思いがけない症状は実はたくさんあります。以下の症状を全て知っておくべきでしょう。

●頭部と頸部の症状:痛み、首のコリ、動かしにくい、頭・首・肩が重く感じる、頭痛(片側または両側)
●感情的症状:緊張、神経過敏、不安、イライラ、気分の落ち込み
●精神的症状:精神の鈍化、記憶力低下、集中力低下
●筋肉の症状:筋肉のけいれん、腫れ、断裂、筋萎縮
●背骨と神経の症状:椎間板ヘルニア、神経圧迫、神経炎、神経痛、腕や手、肩、足先や脚のしびれ、背骨の曲線の異常
●消化器の症状:胃腸の症状、嘔気(おうき)
●骨の症状:脱臼、骨折
●一般的症状:倦怠(けんたい)感、平衡感覚障害、立ちくらみ、息切れ、動悸(どうき)、心拍数の上昇、不眠、顔面蒼白(そうはく)、震え、腰の痛み、両肩の間の痛み

ひどいむち打ち症になっている可能性があっても、事故の被害者にとっては気の毒なことに、その問題をよく分かっていない医療関係者が多いのが現状です。先日は、交通事故でそのまま救急救命室(ER)に送還されたむち打ちの患者さんは、患部を冷やす代わりに、温めるよう指導されて、翌日さらに首の症状が悪化して当院に来られました。むち打ち症は元来、カイロプラクティック的な問題ですから、事故の後はまずカイロプラクティック医の診察を受けてください! 私たちは細かいさまざまな筋骨系の整形外科的検査とレントゲン検査をした上で、治療に当たります。症状は後で出てくることもあります。たとえ事故の時に、どこにもケガはないと思っても、です。

(次回は8月26日号掲載)

MikaIshitani〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞。2015「Bergen’s Top Chiropractor」受賞。

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