カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第150回
ぎっくり腰など、腰や首の激痛を引き起こす人の多くは普通「筋肉の痙攣(けいれん)」が原因だと言われます。痙攣とは、急激に起こる筋肉(骨格筋)の収縮のことです。通常、筋肉の収縮は、脳の運動神経細胞の興奮(命令)が筋肉に伝わることによって起こり、自分の意思でコントロールすることができます。ところが痙攣時には、運動神経細胞が異常に興奮して電気的刺激を出してしまうので、筋肉が自分の意思に反して収縮してしまいます。つまり、痙攣は、神経細胞の異常な興奮の結果、起こるといえます。
しかし、筋肉の痙攣は2次的現象で、腰の筋肉はただ痙攣を起こすのではありません。筋肉の痙攣は通常隠れた症状が原因となって引き起こります。
個々の背骨の間には神経の出入り口があり、それを脊椎関節突起と呼びますが、その関節には痛みを感じる神経がたくさん集まっています。これらはとても小さな関節ですがたくさんの神経が集まっているので、関節が不配列になることで、神経を圧迫してしまいます。このように、関節の不配列が原因で、神経の出入り口が締め付けられて刺激されると、脳からの警告機能で、筋肉がロックして、脊柱を安定化させようと背骨の周りの筋肉が痙攣を起こします。しかし姿勢の不安定さや脊柱側湾によって関節が徐々にずれて神経線を圧迫するようなことがあるとそれは問題となります。
ドイツの医学誌で、筋肉の痙攣や、筋肉の異常な動きをEMGや精密な筋肉の動きのテストによって判断されました。患者はカイロプラクティック、筋肉に薬を注入するブロック注射、薬、マッサージなどの治療を受けました。結果はカイロプラクティック治療が圧倒的に効果的で、78%の痙攣の緩和が見られると報告されています。
これにより多くの人々がカイロプラクティックが腰痛のもっとも効果的な治療であることを知りました。もし腰痛がある方はぜひカイロプラクティック医の検診をお勧めします。
(次回は10月28日号掲載)
〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞。2015「Bergen’s Top Chiropractor」受賞。