カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第200回
花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)の代表的な症状である鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの3大症状に加え、目のかゆみがあります。花粉症はアレルギー疾患で、花粉などの異物に免疫機能が過剰に反応することが原因で起こります。アレルギー症状が起こるメカニズムは複雑で、花粉症やアレルギー症状は、花粉などの刺激で体内にある「ヒスタミン」などの炎症物質が飛び出し、それらが受容体と呼ばれる膜タンパク質(GPCR)に結合することで引き起こされるのです。
京都大学院医学研究科の研究から、今や誰でもが知る花粉症の薬として知られている抗ヒスタミン薬が発明されました。ヒスタミンが受容体H1Rに結合するのをブロックすることで花粉症の騒擾(そうじょう)を抑制することに成功しました。
しかし、抗ヒスタミン薬は副作用もあり、代表的なものとしては眠気、口の渇き、不整脈などが挙げられます。この副作用を少なくするために分子レベルでの薬の研究も進んでいます。鼻づまり、鼻の粘膜が腫れる、口が乾く、においや味がよく分からない。せき(喉が乾燥)、よく眠れないということも解消できるかもしれませんが、薬は薬。必ず何かしらの副作用はつきもの。なるべくは、薬なしで生活したいのが理想です。
しかし、花粉症の方のつらさはよく分かります。「全く、薬なしで」とは言わないものの、少しずつ、薬なしでも耐えられる体作りを目指してみませんか。実際に、多くの私の患者さんも以前は花粉症がひどくて眠れない、外に出られない、くしゃみが止まらないなどの症状があったけれど、カイロプラクティックを始めてからは、症状が出ない、もしくはかなり軽くなったということは多数おられます。私もそのような患者さんに出会い、体の未知なる能力に驚かされ、また、魅了されることばかりです。
西洋医学的研究では、一度花粉症になったら治らないと言われていても、実際回復されている方も多くいるのです。実は、先進国ほどアレルギー疾患の方は多く、二人に一人は何かしらのアレルギーがあると言われています。花粉症、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息(ぜんそく)、アレルギー性鼻炎です。そして、これらの主な原因は自律神経を乱す睡眠不足や不規則な生活、精神的なストレスです。カイロプラクティックの治療は、自律神経系を整えることが可能だからこそ、花粉症にも特別な効用が期待できるのです。
(次回は6月13日号掲載)
〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷ヘルスセンター院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞。2015「Bergen’s Top Chiropractor」受賞。
【石谷ヘルスセンターウェブ】www.ishitaniclinic.com