りばてぃ「ニューヨークの遊び方」 Vol. 95
ハドソン・ヤードのモールのまわりを、ぶらぶら、のんびりお散歩…。やってきたのは、今年2019年6月10日にオープンしたばかりの「ザ・スパー」(The Spur)。
ここは、「空中公園ハイライン」(The High Line)の一番最後の開発区間。英語で言うと、「ザ・ハイラインズ・ラスト・ストレッチ」(The High Line’s last stretch)、ラスト・ストレッチって表現、かっこいい(笑)。
そうそう、驚いた方もいらっしゃるかもしれませんね。
2009年6月8日(月)に第一区間オープン、その2年後の2011年6月、第二区間オープン、さらにその3年後、2014年10月、第三区間オープン…と、このブログではすっかりお馴染みの「空中公園ハイライン」ですが、まだ作ってたんですよー。で、今回、新たにオープンした新区間は、「レイルヤード」(the Rail Yards、現在のハドソン・ヤード周辺)と呼ばれる30〜34丁目間に広がる第三区間と30丁目以南の第二区間の区切る地点から、にょろにょろっと10番街(10th Ave)の上へ伸びている高架部分。1箇所のまとまった空間スペースとしてはハイライン最大。数十年前、ここにあった配送施設(the Morgan Processing and Distribution Center)に、直接、貨物列車が入ってこれるように特別に作られた高架部分とのこと。
Curbed New Yorkの報道によると、2008年、再開発のためディベロッパーに撤去される計画があったものの、近隣住民によるNPO(現在、ハイラインを運営・管理するフレンズ・オブ・ハイライン、the Friends of the High Line)が「私たちのスパーを守れ」(“Save Our Spur”)キャンペーンを展開、無事に守り抜くことができ、その後のハイライン計画のシンボル的な存在に。そのため、一番最初に公開されたハイライン計画案の冒頭に出てくるのが、このスパー周辺なのです。
あと、スパーを空中公園化する何十ものデザインが出ましたが、最終的に、“less is more”(少ないほど多い、日本の禅寺的な発想)で現在のものに。
とにかく、ハイラインの中でも特に歴史的価値ある区間が完成、オープン。
広い空間ならではの特別なパブリック・アートの展示とか、様々なイベントなどもこのスパーで催される予定。また、ニューヨークに楽しみが増えましたね。
(次回は9月第1週号掲載)
「ニューヨークの遊び方」(nyliberty.exblog.jp/)作者。Liberty & Friends, Inc.の創設者。米国で事業を展開する日系企業向けにマーケティングを中心とした各種コンサルティング業務を提供するほか、各種メディアとのコラボレーションを行う。