〈コラム〉不動産売買手続きのクロージング日

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一般的に最終確定日ではなく、むしろ“その日付又はその前後の日付”

クロージング日とは不動産取引や事業売買の契約等でも使われる用語です。クロージング日は契約書の中に示されますが、一般的に最終確定日ではなく、むしろ“その日付又はその前後の日付”であることを理解しておくことが大切です。つまり、クロージング日は融通のきくものなので、契約当事者は未解決事項を提示してクロージング日の妥当な延期を要求する権利を持っています。妥当と見なされる期間は一般的には約30日間までとされますが、場合によってはクロージング日から約90日間を要することもあります。妥当な期間内に当事者は契約上の義務を果たすための時間を与えられますが、主に特定のケースの事実関係や状況に応じて妥当な期間の最終決断がされます。取引を終了する前には数多くの不特定事項を解決する必要があるため、“クロージング日又はその前後”という用語を契約で使用することによって、当事者にある程度の融通を与えることができます。不特定事項には、しばしば、融資機関、タイトルカンパニー(登記調査会社)、サーベイヤー(測量技師)、プロパティインスペクター(財産鑑定士)、ニューヨーク市又は同州の政府機関等の第三者の関与が含まれます。

一般的にクロージング日は契約締結日から30日から90日前後に設定されます。全ての事項が順調に進行すると想定した場合、クロージングは契約書に示された当初のクロージング日前後に行われるのが一般的です。しかしながら、予期せぬ問題が発生した場合、クロージング日が遅れることがあります。このように、契約締結に入るとき、両当事者は進行計画にある程度フレキシビリティーを持たせることが大切です。取引当事者は、実際のクロージングが契約書に記されたクロージング日前後より遅れが発生した場合、状況に応じて予定を調整しなければなりません。対処できるよう準備しておくことをお勧めします。例えば、賃貸住宅に住んでいる人が物件を購入する場合、クロージング日が遅れて賃貸契約を延長しなければならない可能性もあることを想定しておくのが良いでしょう。また、引っ越し業者の手配も、実際のクロージング日が確実になってから手配するのが良いでしょう。モーゲージ(住宅ローン)を組む場合、予め利率の固定期間を長めに設定しておくと、クロージングが遅れた場合でも固定期間延長のための追加費用を避けることができます。

両当事者はお互いにクロージング日を延期することにいつでも合意できますが、場合によってはクロージングが妥当な期間より更に遅れることもあります。そのような場合、当事者が期日延期をせず、クロージング実行又は契約取り消しの申立てをすることがあります。クロージング実行又は契約取り消しの申立て手続きに付いては次回のコラムをご確認下さい。

(弁護士 マリアン・ディクソン)

(次回は3月第1週号掲載)

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(お断り)本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。法的アドバイスが必要な方は弁護士・法律事務所へ直接ご相談されることをお勧めします。

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