アパートの管理組合からの追加条件、税金や責任問題等の可能性について考える必要がある
時として親は、成人した若い子供の不動産購入手続きの援助をすることがあります。親が成人した子供を援助するには様々な理由が考えられます。成人した子供に人生で有利なスタートを切ってほしい目的や、成人した子供がまだ安定した仕事やクレジットヒストリーを確立していない理由での親の援助もあるでしょう。また、子供が大学在学中にニューヨーク市に住む場合、物件を購入することによって、アパートの賃貸出費を抑えることができる場合もあります。
物件の購入に対して、親が頭金の支払い等の部分的資金援助のみを行い、成人した子供がモーゲージ(住宅ローン)を組んでアパートの単独所有者となる場合もあります。この場合、成人した子供には信用と安定した収入のあることが求められます。別のケースとしては、成人した子供が居住するアパートに対して、親が100%の資金援助を行い、成人した子供をアパートの完全な所有者にすることもあります。後者のケースでは、購入申込書とアパートの管理組合理事会の特定の規定をクリアしなければならない場合があります。
いずれにしても、多大な時間と金額を投資する前に、親が成人した子供のためにアパートを購入することを完全禁止するポリシー及びハウスルールの有無、あるいは購入が承認されるために重要な追加条件があるかどうか等を熟慮するべきです。例えば制約の中には、親がアパートの所有者の1人として登録されている、親もアパートに居住している、親が管理費・共益費・税金等の保証人である、子供の所有権に対する金銭的な義務の前払いの要求をされる等。これらの追加条件は親にとって解決困難な問題になることがあります。
このように、アパートを成人した子供のために購入することを検討している親は、アパートの管理組合から課される追加条件、更に税金や特定の状況下における責任問題等の可能性について考える必要があります。従って、不動産売買手続きに詳しい会計士、弁護士、不動産業者に相談するのが良いでしょう。
(弁護士 マリアン・ディクソン)
(次回は6月3日号掲載)
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