夏休みにしておきたい帰国後の学校情報収集

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コロナ禍ではオンライン説明会も有効活用したい

「在米親子にアドバイス」日米の教育事情
米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人


北米では地域によって異なりますが、5月中旬から6月下旬から夏休みに入ります。約2か月間にわたる長期休暇ですので、有効に活用したいものです。中学や高校への入学・編入学を予定しているお子さんがおられる場合には、夏休みに学校情報の収集や受験対策をされることをお勧めします。

学校情報の収集については、以下の方法があります。
(1)インターネットや情報誌などで情報収集
(2)学校のウェブサイトを訪問
(3)入学案内パンフレットや募集要項を入手
(4)学校や教育委員会にメールや電話で質問・相談
(5)一時帰国の際に学校を訪問

上記の(1)では、海外子女教育振興財団発行の「帰国子女のための学校便覧」が、帰国生を受け入れる学校の顔触れや基本情報を知るために便利です。また、同財団のホームページの「Web de 学校便覧」で検索することもできます。

入学・編入学したい学校の詳細を知るためには、上記の(2)や(3)の方法にて情報収集しましょう。そして、質問や相談があれば、学校に直接メールや電話してください。その際の対応の良し悪しで、その学校がお子さんの受け入れに熱心かどうかを判断することもできます。なお、公立中学や高校への入学・編入学については、まず、都道府県や区市町村の教育委員会に問い合わせてください。

また、お勧めしたいのは(5)の学校訪問です。保護者のみではなく、入学・編入学を予定しているお子さんと一緒に訪問されることをお勧めします。入学・編入学する本人が、自分の目や耳で確認し、入学・編入学したいと思うことが大切だからです。学校訪問では、担当の先生とお話をしたり、教室などの施設を見せていただいたりするのみでなく、授業を参観させてもらってください。また、できれば、部活動も参観させていただくと良いでしょう。自分とともに学校生活を送ることになる生徒の様子を見ることも、とても大切です。

しかし、現在は新型コロナウイルス感染症の影響で、一時帰国がしにくい状況にあります。一時帰国できない場合には、オンラインでの学校説明会を活用されることをお勧めします。海外子女教育振興財団主催や学習塾主催の合同説明会もありますし、学校単位で説明会を実施している学校もあります。また、オンラインでの個別相談を実施している学校もありますので、有効活用していただきたいと思います。

学校訪問や個別相談では、入学試験や編入学試験についても質問すると良いでしょう。その情報によって、入学・編入学希望校の受験対策を進めることができます。夏休みは、入学・編入学希望校の入学試験の対策を集中的に進めていただく絶好の機会でもあります。一時帰国できれば学習塾を利用するのも効果的ですが、一時帰国できない場合には最寄りの学習塾を利用するのも良いでしょう。また、オンラインでの受験対策講座も続々と登場していますので、詳細を確認してみてください。

(写真提供:名古屋国際中学校・高等学校)

 

丹羽筆人【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校教員・学習塾講師を歴任。「米日教育交流協議会(UJEEC)」を設立し、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース北米事務所、名古屋国際中学校・高等学校、国際高等学校、名古屋商科大学北米担当、サンディエゴ補習授業校指導教諭を務める。
◆米日教育交流協議会(UJEEC)
Website:www.ujeec.org

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