受験し易さや入学後の学校生活の過ごしやすさが人気のポイントに
「在米親子にアドバイス」日米の教育事情
米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人
日本国内の小学校卒業生は約9割が公立中学校に進学しますが、首都圏や近畿圏では国立や私立の中学校に進学するケースも多く、特に首都圏では小学校卒業生の約2割が中学受験をすると言われ、その比率が年々上昇傾向にあります。帰国生も同様に、首都圏や近畿圏では国立や私立の中学校に進学するケースが目立ちます。ここでは帰国生に人気の国私立中学校を、出願者数の多さと帰国生の全校生徒に占める比率の高さの2点にて紹介します。
まず、多数の帰国生が受験する中学校を見るために、帰国生入試の出願者数が多い順にまとめてみました。
出願者数が100人を超えるのは、上記の22校です。中でも上位3校は500人以上の出願があり、4位以下を大きく引き離しています。
かえつ有明中学校は国際標準カリキュラムを根幹としたハイレベルの英語教育が実践され、「サイエンス」という各教科連携の横断型カリキュラムが構築されています。また、入試は英語と日本語作文のみで受験できます。広尾学園中学校はインターナショナルコースがあり、アドバンスト・グループでは数学・理科は英語で学び、社会は英語・日本語併用で学べます。また、入試では英語と算数は英語で出題されます。公文国際学園中等部は公文式の教材を使った指導が受けられます。また、入試科目は適性検査と英語で、国語や算数が課されません。
次に、多数の帰国生が校内にいる中学校を見るために、帰国生徒数の全生徒数に占める比率の高い順にまとめてみました。(中等教育学校は1~6年生の人数です)
上位3校の帰国生の比率は40%以上で、内2校が近畿圏の中学校です。上位10校では5人に1人以上が帰国生、上位30校では10人に1人以上が帰国生なので、校内で帰国生と接する機会も多く、帰国生が過ごしやすい環境があるということが魅力です。
(写真提供:名古屋国際中学校・高等学校、国際高等学校)
【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校教員・学習塾講師を歴任。「米日教育交流協議会(UJEEC)」を設立し、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース北米事務所、名古屋国際中学校・高等学校、国際高等学校、名古屋商科大学北米担当、サンディエゴ補習授業校指導教諭を務める。
◆米日教育交流協議会(UJEEC)
Website:www.ujeec.org