「スキマ時間」を見つけて取り組むとよい

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現地校と日本語学習との両立

親目線・教員目線で語る日英バイリンガル教育

米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人

長い夏休みが終わり、現地校の新年度がスタートしました。
進級や進学によって、これまでとは異なった生活パターンとなった子どもたちが多いことでしょう。また、授業内容が難しくなったり、授業時間が長くなったりすることに加え、宿題や課題も難しくなり量も増え、子どもたちは負担が重くなったと感じているかもしれません。さらに、部活動や習い事などのスケジュールが厳しくなったという子どももいるでしょう。このような状況により、新年度の始まりには、いわゆるBack-to-School Stressという現象が表れる子どもたちもいます。そうでなくても、子どもたちはハードな生活パターンとなった状況で、現地校の学習や活動と日本語学習とを両立することを負担に感じることもあるでしょう。

夕食ができるのを待つ時間に補習校の宿題をする子どものイメージ画像(筆者作成の生成AI)

夕食ができるのを待つ時間に補習校の宿題をする子どものイメージ画像(筆者作成の生成AI)

では、現地校と日本語学習との両立をどのように図っていけばよいでしょうか。そのためには、優先順位をつけることが必要です。まず、現地校の学習は最優先としなければいけません。平日の帰宅後は、すぐに現地校の宿題や課題などに取り組みましょう。放課後に部活動や習い事をしている場合は帰宅時間が遅くなりますし、海外生活が短い子どもは英語のハンディもあり、時間がかかってしまい、現地校の学習しかできないかもしれませんが、それで問題ありません。

では、補習校の宿題など日本語学習はいつすればよいのでしょうか。補習校に通学している場合には、補習校から帰宅後すぐ、または翌日の日曜日に取り組みましょう。補習校に通学していない場合には土曜日と日曜日に取り組みましょう。しかし、土曜日や日曜日にも習い事をしている場合もあるでしょうし、家族との時間を過ごすことも必要でしょう。そうなると時間がありません。

このような場合には、いわゆる「スキマ時間」を利用することをお勧めします。例えば、現地校や補習校では、休み時間、スクールバスや保護者のお迎えの待ち時間など、自宅では、夕食の準備ができるのを待っている時間など、ちょっとだけ時間が空くことがあるでしょう。そんな時間を使って、補習校の宿題など日本語学習に取り組みましょう。また、現地校の宿題や課題などの学習の合間に、日本語学習を行うということもできます。

帰りのスクールバスを待っているときに日本の歴史の本を読む子どものイメージ画像(筆者作成の生成AI)

帰りのスクールバスを待っているときに日本の歴史の本を読む子どものイメージ画像(筆者作成の生成AI)

このように、「スキマ時間」は、ほんのちょっとした工夫をすれば作れますので、現地校と日本語学習との両立を図ってほしいと思います。

丹羽筆人【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校教員・学習塾講師を歴任。「米日教育交流協議会(UJEEC)」を設立し、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース北米事務所、名古屋国際中学校・高等学校、名古屋商科大学北米担当、サンディエゴ補習授業校指導教諭を務める。
◆米日教育交流協議会(UJEEC)
E-mail:info@ujeec.org

●親目線・教員目線で語る日英バイリンガル教育──過去の掲載●

●「在米親子にアドバイス」日米の教育事情──過去の掲載●

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