歯周病を知ろう
●日本人には多い?!
アジア人は白人や黒人に比べ、歯の根が短いので歯周病になると歯が抜けやすいといわれています。日本人も50歳を超えると二人に一人は入れ歯、又は何らかの義歯をつけているという統計があるほどです。成人80%が歯周病を発症していると予想され、総人口からしても虫歯で歯を失う人が32.4%いるのに対して、歯周病により歯が抜けている人は41.8%にも上ります。こんな数値にも関わらず、歯周病についてしっかり知識がある人は少ないのが現実です。
●どんな病気?
歯周病は、 細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。 歯と歯肉の境目の清掃が行き届かないと、その部分に細菌がたまり歯肉の周りが炎症をおこし、腫れます。そして、それが進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯がぐらぐらと動くようになり、最終的には歯が抜け落ちてしまう可能性があります。 痛みを感じはじめたり、歯がぐらぐらしはじめた時にはかなり歯周病の状況が進行している状態です。
●発症のサイン
ではどうやって事前に歯周病に気付くのか?一つ目は「出血」です。フロッシングをして出血が起きる場合、その部位の歯茎が弱っているので歯周病になりかけている可能性があります。ただここで注意してほしいことは、タバコを吸っている人は血管が収縮するために出血が減り歯周炎かどうか分かりにくいこともあります。またほかのチェック方法として、歯茎の色を見ることも大切です。健康な人の歯茎はピンク色ですが歯周病になった歯茎は炎症を起こしているので赤い色をして腫れています。
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痛みがあるなしに関わらず、定期的にクリーニングしに行くことが大切です。こまめに通院することで費用がかかると思われがちですが、実際に手遅れになってから治療するより痛みも費用もおさえられるので、歯と歯茎にとって良いことばかりです。また、歯周病により体にも負担がかかり、心臓病、糖尿病、がんの発生リスクが高まる可能性もあります。まずは半年に一度の定期健診へ行くことから始めましょう!
(次回は9月第3週号掲載)
〈筆者プロフィル〉石橋香也子(いしばし かやこ) ニューヨーク大学歯学部卒業。ルーセラン・メディカルセンターで一般歯学の臨床研修課程修了。
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