慢性的な肩こりが良くならない!
首が回らない! 頭痛がする!
通常、肩こりは筋肉(の血液中)に乳酸が溜まると起こり、凝った部分の筋肉をほぐすと乳酸が流れ去り、肩こりは治ると説明されます。が、これは一時的にはいい処置です。しかし、ニューヨークなどの大都会では、慢性的な首痛・肩こり持ちの人達が大部分で、同じ症状を繰り返して、悩み苦しんでいるのが実情です。今回はその原因と導院整体の根本治療法を説明します。
「一時的に良くなるが、すぐに同じ症状を繰り返す」「何年もいろんな病院に通院/ジムで頑張っているが、一向に良くならない」―。このような経験をしている人は、いらっしゃいませんか? 体の痛みには(1)原因(痛みを作り出す)(2)結果(痛みの箇所)があります。皆さんは痛みを止めるのに必死になっていますが、それは一時的な処置で、根本的に健康体を取り戻すことにはなりません。健康回復するために痛みを止めることは必要ですが、それ以上に大事なのは痛みの根本的な原因をなくし、将来にわたって強く柔らかな体になることです。
当院が目指す「健康体イメージ」とは、足腰がシッカリと地を踏み、しゃきっと背を伸ばし、柔軟な身のこなしができる体、ちょうど“樹が青空に伸び風に揺らぐ柔軟なる体”です。すると体は、自己治癒力(修復力)がありますので、病気を予防(治)してくれます。
そのためには、(1)まず正確な診察(全体像から部分、前後左右上下の骨格バランス、筋肉/靭帯/関節の転位を確認)し、(2)見極め(痛みの根本原因)が大切です。その上で(3)段取り(根本原因から治す手順)を立て、(4)さばき(熟達・練磨された施術家の手技)で「整体技術」を施します。
【実際の事例】
Hさん(中年日本女性、専門職):肩が痛むことでの来院ですが、慢性の肩こり・痛みがあり病院、施術院、フィジカルセラピーに通院したが良くならない。最近は特に体の筋肉が硬直、頭痛までしてきた事で来院。診察では、全身の筋肉硬直があり、骨盤の捻転位(腰痛有り)、脊椎の彎曲、右肩が下がり捻転をしていました。ズレた肩の土台に立つ頸椎(首)は当然、一方向に引き去り捻転しており、周囲の靭帯や筋肉が硬直、ズレた骨格を戻そうとしていました。約1時間半の緩解指圧と整体施術による結果、骨格ズレ(肩の位置・首関節)は戻り、従って周辺の靭帯筋肉の硬直は無くなり、柔軟な体、すっきりとした顔、軽快な歩みで帰られました。
Gさん(スロバキア女性、家政婦、40代前半):慢性の肩こりでの来院。やはり骨盤の転位が原因による、首肩の骨格の転位が起こした慢性肩こりでした。本人は毎週ヨガやピラティスをして腰の痛みはありませんでしたが、検査をするとやはり、骨盤(体の土台)の転位、右肩がこれを補完した前方捻転が形成されていました。彼女の場合も同様に、緩解指圧後、骨盤の転位を調整して、首肩の位置を整えてやると、慢性の肩こりが嘘のように無くなりました。
(次回は12月第1週号掲載)
〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。