「家計簿」と「財産表」をチェック 正確な純資産を把握しよう
家計簿では、毎月の収入と支出がいくらか、黒字か赤字かを把握することができますが、じつはそれだけでは、お金の全体像を把握できているとはいいづらいのです。
お金を正しく管理して、着実に増やしていくには、私たちが現在持っている資産や借金がいくらあるのか考えて、財務状況を明らかにしていくことも求められてくるのです。そこで必要となってくるのが、「財産表」です。
「財産表」とは、自分自身が持っている「資産」、抱えている「借金」、そして、資産から借金を差し引いた「純資産(自分のお金)」を時価で明らかにしてくれる、「財産目録リスト兼資産・借金リスト」のことをいいます。ちなみに、会社の会計では、これを「貸借対照表(バランスシート)」と呼びます。
「家計簿」が日々の食事と運動量を記録したノートなら、「財産表」は定期健康診断の結果だと考えるとわかりやすいと思います。この2つを組み合わせてチェックしていけば、「お金の健康状態」をより正確に、詳しく知ることができるようになり、将来の目標を具体的に立てることができるようになると、私は思います。
そしてこの「財産表」で最も注目したい項目は、自分が持っているお金を示す「純資産」です。純資産が多ければ多いほど、安定した家計であることがわかります。純資産がプラスになっていれば、まずは最低限、健全な状態にあるといえるでしょう。
皆さんも、家計簿でお金の収支がチェックできたら、次はぜひ「自分がいま、いくらのお金を持っているのか」を定期的に把握するようにしてみてくださいね。
(次回は12月第1週号掲載)
〈プロフィル〉泉 正人(いずみ まさと) ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長。経済入門から資産運用までの幅広いファイナンシャル教育を行う。受講者が18万人の「お金の教養」=写真=プログラムをニューヨークでも開催。http://us.Financial.ac