〈コラム〉レストランのブックキーピング 簿記が分からなくても入力できるソフトに挑戦

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「永野・森田公認会計士事務所 日下武」ビジネスのツボ 第35回

今年もあっという間に12月になり、本当に時間がたつのが早いと感じます。私事ですが、先月で40歳になりました。四十にして惑わずという言葉がありますが、これからも専門性を磨きながら、社会貢献していこうと考えています。
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日系食品商社で働いていたということもあり、アメリカの日本食レストランのクライアントをたくさん持たせていただいているのですが、よくある質問で、ブックキーピングの基礎を教えてほしいといわれます。アメリカの市販のブックキーピングソフトで「Qucikbooks」というものがあるのですが、多くのレストランがこのソフトを使用しています。このソフトの優れているのは、あまり簿記や会計が分からなくても大体の部分までは入力できるというところです。
例えば、仕入先から請求書が届いたら、enter billという絵をクリックして入力し、その請求書を払うときはpay billという絵をクリックして入力します。Debit、Creditの仕分けが分からなくてもこの作業をすることで、仕分けがされることになります。レストランのブックキーピングに必要な資料は大きく分けて売上げ入金情報、給与情報、請求書、現金で使ったレシート、バンクステートメントになります。売上げの入力は、レジから出る情報で入力するのですが、その時にセールタックスやクレジットカードで支払いがあったもの、そしてチップの情報を入力します。これは、少し簿記の知識がないと難しいです。給与情報については、従業員への給与と会社が支払う給与税、源泉徴収の預かり金、各種税金を入力します。
請求書については先に書いたように簡単に入力できます。銀行口座以外から使った経費についても入力します。最後に入金、出金をバンクステートメントと金額と比べながら、Bookとのずれを確認します。この作業のことをBank reconciliationといいます。最初は難しいかもしれませんが、毎回あるような決まった仕分けは、Memorizeの機能によって、Quickbooksに記憶させることができます。月次締めを行う場合には減価償却費や前払い金など細かい調整が必要になります。入力が全て完了すると、いろいろなレポートを出すことができます。バラスシートやインカムステートメントはもちろん、売上高と経費の比率を出したり、月々のキャッシュフローの流れや、未集金の確認など便利です。
慣れればとても役に立つソフトですので、興味があれば挑戦してみる価値はあると思います。皆さんの成功を祈ります。
(次回は1月17日号掲載)
takeshi%20001[1]〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) 永野・森田公認会計士事務所NJ拠点マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を活かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーまで、幅広く顧客を持つ。【ウェブ】www.nagano-morita.com/ Tel:201-363-0050 E-mail:tkusaka@nagano-morita.com 2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ
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