〈コラム〉「健康な歯のために」いしばし歯科 石橋香也子【第10回】

0

歯に害のない甘味料

冬は風邪が蔓延しやすい季節ですが、口の回りや中も荒れやすいです。今回は、冬に起こりやすい口腔内外の問題とその対処法や原因を説明していきます。今月はバレンタインデーがありましたね。バレンタイン仕様のスイーツがあらゆるところで売られていましたが、皆さんはどんなスイーツを食べましたか? スイーツには砂糖が多く使われていますが、甘いものが全て悪いとも限りません。今月は歯に害のない甘味料「キシリトール」についてお話したいと思います。

キシリトールとは
そもそも「キシリトール」が何かをご存知の方は少ないのではないでしょうか。キシリトールと聞くとガムなどに配合されているイメージが強いと思いますが、キシリトールは糖の一種で天然の代用甘味料です。
冷涼感があり、後味の切れが早く、スクロース(ブドウ糖と果糖が結合した糖)と同じ程度の甘みを持ちながらもカロリーは4割低いのが特徴です。また、キシリトールは人間の体の中でも作られているものなので、健康的にも害がありません。そして、口内にあるバクテリアがキシリトールを食べても、栄養を摂取できず死んでしまうので、虫歯予防にもとても効果的な糖だといえます。

キシリトールと虫歯の関係
虫歯の原因は、細菌が糖を分解した時にできる酸ですが、キシリトールは酸の原料になりにくいので虫歯の原因になりません。他にも、上記で述べたようにある種の細菌の活動を弱めたり殺したりする作用があるため、虫歯予防に効果があります。
しかし、注意してほしいのはキシリトールの配合率が90〜100%でないと虫歯予防にならないということです。30%ほどの配合率だと別の糖分が入っていることもあるので注意してください。
また最近、日本では歯科医が作ったキシリトール100%の「歯医者さんが作ったチョコレート」も発売されています。バレンタインは終わりましたが、ぜひ食べてみてはいかがですか?
(次回は3月第3週号掲載)

 

0419ishibashi-face〈筆者プロフィル〉石橋香也子(いしばし かやこ) ニューヨーク大学歯学部卒業。ルーセラン・メディカルセンターで一般歯学の臨床研修課程修了。
〈医院情報〉【住所】200 West 57th St, Suite 704 NYC(7th AveのSouth-West角付近)
【電話】212-265-9100/212-974-0205(予約制)【営業時間】月・水:10am〜4pm / 火・木:10am~7pm / 土:10am〜4pm[隔週]【ウェブ】www.drishibashi.com

過去の一覧

Share.