<コラム>北米伊藤園企画「なるほど相談室」第13回

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今月のテーマ「マスク」13-itoen-1657

〈回答者アントラム栢木利美
サンフランシスコ在住。日米で活躍する作家。代表作に「日本とアメリカ逆さの常識」「Green Tea Living」など。

Q:どうしてアメリカに住んでいる人は風邪を引いて咳やくしゃみの症状があっても、マスクをしないのですか? 日本では当たり前に人にうつさないためにマスクをしますが、アメリカでは街中や学校で見掛けたことがありません。どうしてマスクをしないでしょうか?
A:これは明らかに習慣の違いからです。風邪の季節に成田空港へ着くと、あまりにマスクをしている日本人が多くて反対にカルチャーショックを受けます。このマスクをつける現象は年々増加して製薬会社の調査によると2008年に18%だったのが、昨年では33%近くまでになっています。
以前、私はアメリカの航空会社で働いていましたが、そのときに、アメリカの税関の人が「日本人がみんなマスクをしているのは、吐息で感染する恐ろしい病気が日本で発生しているのか」と言われ、こちらがビックリしてしまいました。13-itoen-Sashie
日本人は「予防する」ということでマスクをつけるのですが、アメリカではその考えがありません。「風邪にかかったあとに、マスクをして何の効果があるの?」「マスクより薬を飲んだほうが良い」ということになってしまいます。アメリカでマスクをしているのは医療関係、工事現場で働く人、強盗など特別な限られた人になっています。予防策としてのマスクが存在していないからだと思います。
Q:アメリカ人にとって、マスクの代わりになるようなものはあるのでしょうか?
A:アメリカ人はせきやくしゃみがでたときに、どうしているか見たことがありますか。たいていの人が顔を片方の肩に向けてします。日本人は手やハンカチで口を押さえますが、手は菌がつくし、ハンカチを探している間に、くしゃみがでてしまうこともあります。すぐに口を肩に向けシャットアウトするのです。それから、予防注射と、とにかく手を洗うことをどこでも勧めています。
Dr. Oz(注)のテレビ番組でも放映していましたが、子供には「ハッピーバースデー」の歌を歌い終わるまで洗うことを勧めていました。これが予防策ですね。
(注)コロンビア大学心臓外科教授のマホメット・オズ医師で、アメリカをはじめ、140カ国で放送されている健康情報トーク番組「 ドクター・オズ・ショー(原題:The Dr. Oz Show)」のホストでもある。
(次回は3月第4週号掲載)

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