口腔がん
今月12日から18日は、毎年4月に開催される「Oral, Head and Neck Cancer Awareness Week」のイベントがマンハッタンで行われます。これは、口腔がん、頭頸部がんなどの正しい知識を広め、検診の早期受診を推進することなどを目的として行われる啓発キャンペーン週間です。
また、口腔がんの罹患率は米国人男性の中では8位という上位にも関わらず、多くの人が知らないがんでもあります。
口腔がんとは
口の中にできるがんを口腔がんと呼び、口腔がんは6種類に分類されます。舌(ぜつ)がん、舌と歯ぐきの間にできる口腔底(こうくうてい)がん、歯肉(しにく)がん、頬粘膜(きょうねんまく)がん、上あごにできる硬口蓋(こうこうがい)がん、口唇(こうしん)がんがあります。
日本では口唇がんは少なく、最も多いのが舌がん、そして口腔底がん、歯肉がんと続きます。日本では毎年6000人もの人がかかり、3000人が死亡しています。また発見後の5年生存率は半数以下と言われています。
セルフチェック
口腔がんになりやすいところは舌の裏側と横側、喉の奥です。もしそこに痛みや違和感を感じたら鏡を使い、出来物などがあるかどうか確認してみてください。口の中は比較的やけどや、傷に強く、長くても10日程で治ると言われています。もし、2週間以上経っても治らない出来物があったり、出来物の境目がはっきりしておらず曖昧な場合、歯医者さんかお医者さんに診てもらいましょう。
また、もう一つのチェック方法として、耳の下にかけて首を通っている胸鎖乳突筋の周りにあるリンパ腺を触ってみてください。風邪などで扁桃腺が腫れていたりするのとは別に、石のように固かったり、動かないしこりがあったら口腔がんの可能性があります。こちらもできるだけ早く専門医に診てもらいましょう。
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口腔がんは早期発見が可能ながんで、早期発見できれば5年後の生存率は90%にも上昇します。半年に一度ほど、定期検診のついでに診てもらうといいと思います。
また喫煙と飲酒が口腔がんの主な原因とされていますが、特に喫煙は口腔がんの原因の80%を占め、禁煙することで口腔がんのリスクが劇的に減少することもわかっています。喫煙されている方は、健康のことを思い禁煙を考えてみてはいかがでしょう。
(次回は5月第3週号掲載)
〈筆者プロフィル〉石橋香也子(いしばし かやこ) ニューヨーク大学歯学部卒業。ルーセラン・メディカルセンターで一般歯学の臨床研修課程修了。
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