〈コラム〉残り物活用法

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ゆき姐のHappyに生きまっしょい! 第62回目

知り合いが作った梅干し。優しい味がします

知り合いが作った梅干し。優しい味がします

日本ではスーパーの店頭に只今旬の青梅や生らっきょうが登場してきましたが、NYの皆様いかがお過ごしですか?
子どもの頃、この季節になると、白い割烹着を着た近所のご婦人方がお天気のいい日に庭に出て、こぞって梅干しやらっきょう漬けを作っていました。どんなふうにやっていたかは覚えていませんが、料理本を見てみると、これがかなり手間のかかる代物。
梅干しの場合、青梅をよく洗って、傷が付かないように一つ一つ優しく拭き、枝に付いていたときの名残のポッチを取る。殺菌された密封容器に綺麗になった青梅と塩を交互に入れ、重石をして、その後梅干しを赤くするため、赤シソも洗って、乾燥させ、青梅の入っている容器に入れ、塩梅良く出来上がるのを待ちましょう、となるようです。
らっきょう漬けは青梅より粒が小さいので、こまごまとした作業がもっと必要のようでしたが、それをあのご婦人方はやっていたのですね、凄いです。
さて、ピクルスは日本で言う漬けものに近いですよね。NYで知り合いになったコロンビア出身のママさんちの冷蔵庫には、お手製のピクルスがいつも入っています。ビネガーに蜂蜜を混ぜ、隠し味にちょっと赤ワインを入れたものに野菜が漬けてあるのですが、ニンジン、キュウリ、キャベツなどの切れ端を捨てないで、みんなピクルスにしてしまうとのこと。そして、この少しだけ残ってしまった食べ物を捨てないで何かに活用するというのは、子どもの頃から彼女の家では当たり前だったようです。
例えば、前日に食べた料理の残りは、次の日のお弁当用に残り物を全部細かく刻んで小麦粉に混ぜ、丸めて油で揚げる。色々な味がしてとても美味しかったし、学校で食べているとき、「あっ、これは昨夜の晩ご飯に出たお肉の残りだな」と気が付くのも楽しかったそうです。彼女は、「昔から、食べ物をなるべく捨てないようにしているのよ」と言っていました。
うちでも前から、サンドイッチを作った残りのパンの耳を油で揚げて、砂糖をまぶしたおやつをよく作りましたが、料理の残りをこんなふうにして揚げて食べるのは初耳。皆さんもぜひ、やって揚げて。(前回=5月2日号掲載=と同じようなシメですみません)(次回は7月第1週号掲載)

(プロフィル)兵藤ゆき タレント・エッセイスト・服飾デザイナー自身が企画・デザインしている『ゆきねえインク』の、楽なのに綺麗なボディーメイクができるインナーシリーズは、NYの『BRADELIS NEW YORK』でも販売中。

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