私見“クールビズ”(3)
今回はクールビズで気を配るべきポイントをスラックスを中心に整理したく思います。
(1)クールビズは、あくまでもビジネスの場における装いですから、スラックスはジーンズのような仕立てでなく、きちんとクリース(折り目)が入るテーラード仕立てのものがベターです。
(2)ビジネスの場の装いについて、あまり深く考えず同じような装いを続けてこられた方、そうでない方のどちらにも、クールビズは装いを見直し、新しいモノにトライされてみる良い機会です。何事もポジティブシンキングでいきましょう(笑)。スラックスはその第一そして最大の関門かもしれません。女性と異なり、男性はなじんだスタイルをなかなか変えようとしませんし、変えるべきか否か判断、決断できにくいものですが、ここは一念発起、変えてみれば気分一新、違った世界さえ見えてくることもままあるものです。
(3)21世紀の今日、健康と長寿志向が一段と強くなっており、年齢の割に驚くほど若く見える方もおられます。できれば若くて快活に見られたいですよね。キビキビした足サバキはそのための大きなポイント。ゆったりしたスラックスになじんでこられた方々も、細身のスラックスを試してみられてはいかがでしょう? 昔のモノの方が品質が良かったという声に、ウソとは言えないこともまた多いのですが、ことスラックスに関しては細いだけでなく、生地とカッティング技術の進歩により、細身でも履きやすくできているのです。
(4)クールビズではスラックスのベルトが意外なほど目立ちます。長年の使用でくたびれ、ベルトの穴の形が崩れてしまったものは、女性の目からは人生の疲れを感じさせる最たるもののようです。昨今靴メーカーの多くはベルト業者と契約、自社の革を提供、靴と同じ革でベルトを作らせていますので、靴をお求めの際、合わせてベルトも購入されることをお勧めします。それだけで下半身が驚くほどスッキリ、まとまって見えるはずです。それではまた。
(次回は6月27日号掲載)
〈プロフィル〉 ケン青木(けん・あおき) ニューヨークに21年在住。日系アパレルメーカーの米国法人代表取締役を経て、現在、注文服をベースにしたコンサルティングを行っている。日本にも年4回出張。