〈コラム〉導院整体センター、鈴木規正「心​身整体道場」第47回

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台湾施術旅行記
「自己治癒の大切さ」を知る

最近、官足法を紹介した「足の汚れが万病の原因だった」の著作で知られる故官有謀先生の出身地、高雄(台湾)を訪ねる機会があり、ここ台南で向かい側のフィリピン海を眺めながら、「自己治癒」の真の意味について考えました。生前、先生は「足は第2の心臓」と述べていました。私も過去に足揉み健康法を学び、慢性痛、不定愁訴、筋肉の硬直、冷え性など、身体機能を高め万病の原因を取り除く効果的な方法であるのを体感しました。しかし整体療法は足揉法より以上に、直接、体のズレを整復し、体の柔軟性を回復して、自己治癒力を高める即効力があります。
自由に歩いたり運動ができると、体は弱い場所を修理固成し、健康に保ち、病気の元や原因を治して、体のそれぞれの機能、自律神経、内分泌系、血液循環、免疫系泌尿系などの働きを高め、自己治癒力を上げ、体を健康にしてくれます。つまり体の柔軟性や骨格のバランスが回復すると、体は軽くなり、体温が上がり、気血水が高揚され病気を抑え、健康体をつくる免疫力が体の内側に蘇生されるからです。
[実例]Gさん(台湾女性実業家、60代):ここ数年間に色々な病院や治療院を巡った。右側上下半身の筋肉が硬直して常に体が重い、右腰足に痺れがある、右手が上がりずらい、右膝関節の痛み、慢性的な消化不良のため胃腸薬を持ち歩く、不定愁訴があり、甲状腺障害と診断されホルモン薬を常用使用する。診察すると、原因は腰を中心に体が「く」の字に屈折し、骨盤の大幅な転位があり、脊椎弯曲、上半身の筋肉硬直や捻転、右肩関節のズレを、頸椎転位を生じ甲状腺機能を低下していた。これでは上述の症状が生じるのは当然だと判明。充分な緩解指圧後、丁寧に骨盤転位や脊椎頸椎弯曲を戻して、甲状腺機能回復施術をし、全身のストレッチをした。体が柔軟に軽くなり、痛みが消失、2度の施術でかなりの効果があり喜ばれた。
Hさん(主婦、40代):体が重く、冷え性で下半身が常に冷え性で冷たい、膝が痛み、足底が痛くて歩けない症状。最近では不定愁訴や頭痛が出てきて辛い。原因は、骨盤の転位で動脈血流の圧迫、膝下の筋肉硬直、足根関節のズレが足底が硬直や痛みを作っていた。緩解指圧後、骨盤転位調整をして、ズレた膝関節調整して、足根関節矯正をした。施術後に廊下を歩き回ってもらった。下半身に温かみが戻り、足の痛みがなくなり喜ばれた。毎日歩くよう勧めた。これによりかなりの自己改善が見られるはずである。
我々人間は、「歩いたり動く走ったりする自然な営みこそが大切」という実感でした。「人間の健康や幸せに取り、自然の営みに沿った生活をする事がいかに大切か?」という悟りでした。海外各地に患者ができ、出張あり、ユニークな人達との出会い、達成感と幸福に恵まれた仕事が毎日できることは。ワクワクする人生です。

(次回は4月第1週号掲載)

Nori at NYGoCenter.
〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。
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