〈コラム〉週末はハーレムの野外映画祭へ

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トミー富田「​ハーレム浅草下町考」Vol. 45

日が暮れるまでは、毎回その映画にちなんだ音楽をDJやライブバンドがプレー。ダンスタイムもある

日が暮れるまでは、毎回その映画にちなんだ音楽をDJやライブバンドがプレー。ダンスタイムもある

ニューヨークの夏の楽しみの一つ、フリーイベント。
その中でも、日没したらスタートするというなんともアバウトなスケジュールの野外映画鑑賞シリーズは、忙しいニューヨーカーにとって、ある意味贅沢な時間の過ごし方。家族と、パートナーと、友達と、その時間と空間を共有しながらも、上映中は独りの時間を楽しめる。セントラルパーク、リバーサイドパークなど、20以上の公園で開催されている。
どこも大抵ファミリー向けの作品が多くラインアップされており、今年も「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「ジュラシック・パーク」「ゴーストバスターズ」などのヒット娯楽映画が目に付く。
そんな中、私のお気に入りは、「“アイアム・イマジネーション”アウトドア・フィルム&ミュージック・フェスティバル」のシリーズ。全国ロードショーされていないレアな、しかししっかりと作りこまれたメッセージ性の強い映画(特にブラック&ラティーノ系)をピックアップし、ハーレムを拠点にコミュニティーへ発信。最近ではハーレムを飛び出して、その映画にゆかりのあるエリアで上映会をするまでになった。
今年も既に、人気シンガー、エリカ・バドゥの黒人西部劇「They Die by Dawn」がブルックリンで、ラッパーナズの「Time is Illmatic」がクイーンズで、大物サルサ歌手セリア・クルスの「The Queen」がブロンクスで、そしてジェームス・ブラウンの「Mr. Dynamite: The Rise of James Brown」がハーレムで上演され、ニュース番組で取り上げられるほど盛況となってきている。

イベントではトリビュートライブやソウルトレインダンス、映画終了は夜11時半という盛り上がり

イベントではトリビュートライブやソウルトレインダンス、映画終了は夜11時半という盛り上がり

今年のサマーシリーズは残すところあと2作品。15日(土)ソウルシンガー、ビル・ウィザースの「Still Bill」、22日(土)アフロビート、フェラ・クティの「Finding Fela」。いずれもハーレム135丁目のセント・ニコラスパークにて行われる。地元の陽気な皆さんと、映画前も上映中もいつでも歌って踊れる格好でお気軽にお出かけあれ。
ウェブ】www.imagenation.us/
(次回は10月第2週号掲載)

〈筆者プロフィル〉トミー富田(トミーとみた) 東京浅草生まれ。ニューヨーク・ハーレム在住23年の音楽プロデューサー。1994年にアジア人初の「Dr. マーティン・ルーサー・キングJr. アワード」を受賞。ハーレム商工会議所会員。アポロ劇場ボードメンバー。20年以上続けている大人気の「トミー富田のハーレムツアー」は、日本からのファン、リピーターが多いことでも有名。

■トミー富田のハーレムツアー 電話:646・410・0786 ウェブ:tommytomita.com

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