〈コラム〉「健康な歯のために」​いしばし歯科 石橋香也子【第16回】

0

電子たばこ(下)

Electronic cigarette

「VAPE」と呼ばれる電子たばこ

今月は前月(7月18日号掲載)に引き続き電子たばこの危険性を紹介したいと思います。電子たばこ市場は徐々に拡大し、現在では全世界で3700億円規模の市場を形成しています。だからこそ電子たばこの実態を知り、メリットとデメリットをしっかり理解しましょう。
危険性
電子たばこ自体が比較的最近できたということもあり、溶液の中身が不確実という危険性が挙げられます。実際に日本ではニコチン入りの溶液の販売が禁止になっていますが、今年の5月に行われた厚生労働省の調査によると、検査した103製品中、半数近い48製品で極微量ではありますが、ニコチンが検出されています。このように電子たばこ市場は急激に拡大しているがゆえ、粗悪品、模造品も出回っているのが現実です。
また電子たばこを多く製造している中国では、一部品を製造している広東省の工場が安全性の基準を設けていないとニューヨーク・タイムズは伝えています。
その他にも電子たばこによる副流煙の被害も一部では報告されています。
まとめ
たばこの影響は長年研究されていますが、電子たばこの研究は始まったばかりです。禁煙するために使用するなど短期であればよいですが、「無害」「たばこの代替品になる」「ニコチンフリー」といった健康的なイメージが先行し、若者を中心に広まると取り返しのつかないことになります。とはいえ、実際にニコチンが含まれていない電子たばこもあるため、まずは専門医に相談してみましょう。
(次回は9月第3週号掲載)

〈筆者プロフィル〉石橋香也子(いしばし かやこ) ニューヨーク大学歯学部卒業。ルーセラン・メディカルセンターで一般歯学の臨床研修課程修了。
〈医院情報〉【住所】200 West 57th St, Suite 704 NYC(7th AveのSouth-West角付近)
【電話】212-265-9100/212-974-0205(予約制)【営業時間】月・水:10am〜4pm / 火・木:10am~7pm / 土:10am〜4pm[隔週]【ウェブ】www.drishibashi.com

過去の一覧

Share.