〈コラム〉中川扶二夫 「逃げない、がKeyword」第35回

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昭和世代もお金に対する新しい感覚を

中川扶二夫

 

「答えはひとつ」であるが故に私は数学が好きです。しかし、世の中には答えが一つではない問題が沢山あります。例えばアメリカの大統領は誰が良いか? 絶対に満場一致でこの人だとと言う解答はないのです。 また、日本のマイナス金利は何%なら正解なのか? 国民全員が満場一致の正解を出せない問題です。

このように社会では、正解のない問題に直面する場面が多々あります。しかし、何が正解かやってみなければわからない問題にチャレンジするから人生は面白い。たまに周囲の人間がとやかく文句を言うことがありますが、これは回答を出そうとする人のチャレンジ精神を半減させてしまいますね。他人の決断に文句を言う前に応援しろよと言いたくなります。マイナス金利に話を戻すと、今回は金融機関への政策ですが、意図せずに、なんとなく個人の消費意欲に逆に水を差したような雰囲気に日本全体がなっていませんか? 本当に解答は難しいですね。

タンス預金には火災や盗難でお金がなくなるリスクがあることを考えると、そのリスクがない金融機関に保管手数料を払うことは個人的にはあまり気になりません。(笑)

さてそのお金について。貯めることは良いことですが、たまには金利以外でお金を増やす方法を考えてみたらどうでしょう? 自己流で勉強したり、財務を教えるコースを取ったり、プロに運用を任せたりと、お金を増やす方法もただ一つではありません。株価が下がっている今、株に投資するのも一つの方法かと思いますし、はたまた私に投資するも一案かと(笑)。色々な方の意見を聞くだけでもお金というもののいい勉強となります。ただ、お金に関しては ノーリスク・ハイリターンは決してありえない、これだけは唯一確かな正解です。

そして、年下の意見を聞く謙虚さが必要だと思います。今後のマーケットは生まれた時からスマホがある若者が中心となるのですから、我々昭和世代はお金に対する新しい感覚を身に着けることが大事なのです。

このスマホ世代の身近なエピソードを一つ。運転中に助手席の高校生の娘に近くのお菓子屋さんの場所を調べるように言ったところ、スマホに話しかけ一瞬で情報がでました。指で打ち込むことすらしないのです。
スマホは若者だから知っていて当たり前と年齢を盾に言い訳をするのではなく、年下にも教えを乞う姿勢がとても大事です。また、バラタフライ効果ではありませんが、あなたから頼られた若者はそれを喜びと感じ、さらに成長し、一方であなたの良い人材になるかもしれません。

【執筆者】なかがわ・ふじお 広島県出身。1988年にニューヨークに一人で渡り起業。在ニューヨーク25年。この間にアムネットをはじめ八つの会社(18拠点)を日米で立ち上げる。成功よりも失敗を肥やしに独自の「家族型経営」が世界で通用するかをチャレンジしている。現在、異業種進出を含め、アジア、南米、欧州への進出を計画中。

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