カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第117回
カイロプラクティック的にいびきを分析すると、体の歪みが鼻づまりやのどの奥の咽頭の空間を狭くしています。首のカーブの異常が、上気道(のど)を圧迫するからです。背骨の歪みが呼吸をしにくい体にして、その体の歪みがいびきの原因を引き出すきっかけになるのです。さらに、顔(頭蓋骨)の歪みや顎(あご)の歪みは、いびきに直接的に影響します。鼻中隔彎曲症と耳鼻科で診断を受けた方は、顔や頭蓋骨の歪みとともに、鼻づまりの原因を助長します。顎の歪みは舌を圧迫し、舌でのどをふさぐ結果になります。そして、いびきは助長されるのです。首の歪みといっても、なかなか想像しにくいかもしれません。簡単にいうと、首に従来あるCカーブがなくなって、真っ直ぐになってしまっている首、ストレートネック症、もしくは逆カーブ症になってしまう状態です。このように、ストレークネックや逆カーブの首になっていると、のどや上気道(鼻腔・咽頭・喉頭)を狭くさせていびきを助長させてしまうのです。首のカーブといびきの因果関係は深く、例えば、むち打ち症になってストレートネックになっていると、いびきがひどくなる傾向になります。
このように首(頚椎)の歪みから咽頭にも圧迫が起きて狭くなり、顎(がく)関節に負担がきて顎関節症になり、頭蓋骨が歪んで、鼻の歪みを助長し鼻づまりが起きて鼻で呼吸がしづらくなるのです。さらには、口で呼吸をするために顔を上に向けて気道を確保するために、常に顔が上に向いた状態になります。それが、ますます、いびきをかきやすい体質にしてしまうのです。
ただし飲酒後や、疲労による一時的ないびきであれば、誰でもいびきをかく可能性があります。一時的ないびきではなく、慢性化されたいびきの症状をお持ちの方は、ぜひ、カイロプラクティック的な診断を受けることをお勧めします。(次回は3月26日号掲載)
〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞