タイチ不動産「不動産と住まい事情あれこれ」第68回
ニューヨークエリアでの不動産取引に入る前に売買契約に必須な弁護士の費用を買い主、売り主ともに事前に知っておくことは大切なことです。
取引に関わる費用は弁護士にもより、さまざまですが、費用を左右する条件もさまざまです。また弁護士費用は独占禁止法の対象ですのでその料金を談合などで決めることは違法となります。
ニューヨークエリアの個人住宅取引では包括的な費用設定が一般的ですが、より複雑な取引の場合には、弁護士が費やした時間ごとに課金されるケースもあります。ここで費用に影響を与える可能性のあるいくつかのポイントを挙げてみましょう。
●一括現金購入であるか、または銀行モーゲージ利用の購入か
●モーゲージの貸し手は銀行か、またはプライベートファイナンス会社か
●買い主がニューヨーク在住か、または他州や海外在住か
●取引される物件が一戸建て住宅か、マルチファミリー住宅か、コンドか、コープか
●買い主はクロージング時に出席できるか、不在の際は委任状を行使するか
●買い主はニューヨークの銀行口座を所有しているか、無い場合は送金の際に弁護士の信託口座を利用するか
●物件の抵当権などの有無の調査は必要か
●売り主がこの取引を使い支払い満了とする他の一つまたは複数のモーゲージを有しているか
●売り主はクロージング時に出席できるか
このリストは全てを網羅しているとは言えませんが、ポイントは「標準」の弁護士手数料はないと言うことです。一般的に言ってニューヨークエリアの買い主と売り主はそれぞれ1800ドルから3000ドル、ときにはそれ以上の費用を弁護士に支払っています。
弁護士に依頼する際には常に事前に費用を尋ね、同時に予想される将来の追加の費用についても十分に協議しておくことが必要です。
(タイチ不動産 茂古沼孝)
(次回は10月第3週号掲載)
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