〈コラム〉生殖医療と医療保険 全てカバーしてくれる州も

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諦める前に保険会社のウェブサイトを熟読して

コウノトリのコトバ-生殖医療の現場から 第5回

New Hope Fertility Center Dr. John Zhang

日本では今年10月から大手の保険会社が人工授精、体外受精の費用をカバーする保険を発売するとニュースになっている。なぜ話題になっているのかというと、実は日本ではこれまでこれらの費用を保障する保険商品がなかったからだ。

では米国ではどうなのか? 多くの人は「もちろん自費だろう」と思うだろうが、実はそうとも限らない。生殖医療における法律は州によって異なり、地域によっては州法で保険会社が不妊治療を全てカバーすることを義務付けられている。(マサチューセッツ州、ニュージャージー州など。対象者、カバー率かは州によって異なる。詳しくはwww.asrm.org/insurance.aspx)。

残念ながらニューヨークは治療の全てをカバーしてくれる幸運な州に入っていないが、21歳から44歳で12カ月以上継続して保険を保持していれば治療の一部は補助してくれる。(www.fertilityauthority.com/costs/insurance-coverage/new-york-infertility-insurance-mandate)

また、保険会社によってはニューヨーク在住でも、初めからタイミング療法、人工授精はカバーするプランや、中には体外受精までもカバーするプランもあり、日本で治療を行うよりも低コストで治療を受けることができる可能性がある。

「少し検査を受けてみたいけど高額になるに違いない」とあきらめる前に一度、自分の持っている保険会社のウェブサイトを熟読してみては?

(次回は10月第4週号掲載)

Dr. John Zhang〈クリニック〉 New Hope Fertility Center 世界トップレベルのスペシャリストが集結、ライフステージに合った家族計画をサポートしている。不妊治療、体外受精を望むカップルだけでなく、将来のために卵子凍結を行いたいシングル、ドナー精子、卵子での挙児希望者、また、ドナーとして卵子提供者が利用できるクリニック。2004年の開院以来、多くの成功事例を持つ。米国内以外にロシア、メキシコ、中国にも分院を設立、運営している。
【ウェブ】www.newhopefertility.com/

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