〈コラム〉ファイナンシャルアカデミー代表 泉正人「社会人のための資産運用」第16回

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分散投資の考え方 基本的には初期段階のもの

「分散投資」は、投資をする際の鉄則のように考えられています。実際に投資をしたことがない方でも、この言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか?  集中して投資すると、株が下がった場合に受ける打撃が大きいため、株、債券、外貨預金など、違った値動きをする商品に分散して投資したほうがよいという考え方です。また、同じ株式でも、食品、車、鉄鋼など、異なる業種に分けて投資をすることも、分散投資と言います。  確かに、始めたばかりで、まだあまり投資の知識がないという方には、分散投資は向いている方法と言えるでしょう。深い知識がなければ、集中投資のしようがないからです。そのため、勉強をした成果を実際の投資で試してみたいという段階ならば、分散投資を選ぶのが正解だと思います。  しかし、いろいろなところにバラバラに投資していれば、どこか一部が下がっても、他の商品がカバーしてくれるから安心…という考えでいつまでも分散を続けていては、お金はなかなか増えてくれません。むしろ、優柔不断に分散を続けることで、結局は資産を守ることができず、どんどん目減りさせてしまうという結果を招くこともあります。分散投資は、基本的には投資の初期段階のものと考えた方が良いでしょう。  投資の知識が身について、得意な分野がはっきりとしてきたら、分散投資から集中投資に切り替えることをおすすめします。自分の得意分野への集中投資をはじめ、そこで資産をある程度まで増やすことができれば、増えた資産をまた分散して守っていくこともできます。  「分散投資さえしていれば安全で、いずれ資産は増えていく」という囚われた意識を解放してみてください。  そして、投資の知識が身につき得意分野がはっきりした際には、みなさんも、分散投資から集中投資に切り替えてみてくださいね。
(次回は7月6日号掲載)

「お金の教養」〈プロフィル〉泉 正人(いずみ まさと) ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長、神戸夙川学院大学客員教授。経済入門から資産運用までの幅広いファイナンシャル教育を行う。受講者が18万人の「お金の教養」=写真=プログラムをニューヨークでも開催。http://us.Financial.ac

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