家・車・保険にかかる固定費を抑えるには 本当に必要かどうか
私たちが、銀行にお金を預けるのが当たり前だと思っているのと同じように、結婚して家族を持てば、当然必要なものだと思って購入したり、加入したりしているものがあります。それは、家と車と保険です。
コツコツ働いてお金を貯めたら、庭付き一戸建てのマイホームや都心の便利な場所に設備の整ったマンションが欲しい…という夢は、私たちの誰もが、一度は思い描く夢ではないでしょうか?
しかし、終身雇用が崩れ、安定的に給料が上がっていく保証もない今、35年にも渡って住宅ローンを組んだところで、最後まで自分自身で払いきれるかどうかわかりません。会社の経営が傾いてリストラにあったり、倒産してしまったりすれば、新しい仕事を探さないといけません。そうなると、転居が必要になる可能性もでてきます。それに、核家族が一般的になった今、大家族用の大きな間取りの立派な家が、本当に必要でしょうか。
車は購入代金がかさむだけではなく、都内なら毎月平均2〜3万円の駐車場代とその他に車両保険、車検などの維持費もばかになりません。もし、使用する頻度がそれほど高くないのであれば、今はレンタカーやカーシェアリングというサービスを利用するほうが、賢い選択と言えるのではないでしょうか。
保険に関しても、私たちは漠然とした不安感から民間の保険に加入してしまいますが、日本には、整備された社会保険制度がありますので、本来ならその保障を考えに入れてから、民間保険への加入を検討した方がよいでしょう。
固定費に圧迫されて、日々の楽しみや幸せを見失ってしまう…そういった状況に陥る前に、自分にとってそれらは本当に必要なものなのかどうか、見栄や世間体で購入を考えていないか、よくよく考え直してみる必要がありそうです。
みなさんも、家・車・保険を考える場合、どれもが大きなお金が動く買い物となるだけに、購入する前に、もう一度よく考えてみてくださいね。
(次回は4月6日号掲載)
〈プロフィル〉泉 正人(いずみ まさと) ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長、神戸夙川学院大学客員教授。経済入門から資産運用までの幅広いファイナンシャル教育を行う。受講者が18万人の「お金の教養」=写真=プログラムをニューヨークでも開催。http://us.Financial.ac