〈コラム〉おひな様の効用

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ゆき姐のHappyに生きまっしょい! 第35回目

これ、なんとポップアップカードなんですよ

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梅の花も咲き始め、東京はもうすぐ春、にはまだ遠く、寒い日が続いていますが、NYの皆様いかがお過ごしですか?
さて、北海道出身の仕事仲間の20代の若者が、「東京は寒いっすねえ。オレんちのアパートなんて、窓の隙間からヒューヒュー寒い風が入って来るんで参っちゃいますよォ」なんて言っておりました。北海道あたりだと、冬はめちゃくちゃ寒いに決まっているので、窓のサッシも二重になっていたり、外の寒い空気がなるべく部屋の中に入り込まないように機密性の高い建物になっていたりしているそうで、それに比べて東京の建物は寒さ対策が練られていないと、先出の若者は嘆いていました。
が、東京の家の中は北海道の家より寒いかもしれませんが、確実に東京の方が、春が近づいてきているな、と感じることもたくさんあるのは事実です。
たとえば梅の花。もう満開のところもあるたくさんあるし、梅祭りもあちこちで開催されています。
そうそう、祭りといえば、この時期はやっぱり3月3日のひな祭りですね。
私は姉との二人姉妹なので、子どもの頃は家に立派なおひな様がありました。おひな祭りの1カ月ほど前に、押し入れの奥に閉まってあったおひな様の箱を取り出し、母や姉と一緒に飾りつけました。赤い緋毛せんを敷いたひな段の最上段には、御殿に入った内裏びなを飾り、その下に三人官女、そして五人囃子、随身、衛士もいましたね。嫁入り道具の入ったタンスや長持ちもありました。そして、ひなあられやひし餅、桃の花も飾りました。内裏びなの横には、ぼんぼりもありましたっけ。
このおひな様は母の母、私たちの祖母が買ってくれたものでした。孫娘たちの成長を願っての、奮発した愛情をたくさん感じられる立派なおひな様でした。これらを飾り終わると、隙間風が入り込む寒々しい日本家屋の我が実家にも、急に春が訪れたような暖かな空気が流れたものでした。
そうだ、今年は本当の春が来るまで、東京の家にも小さなおひな様を置こう。うちは息子ですが、これは私用、ルンルン。
でも、3月3日が過ぎたらすぐしまわないと婚期が遅れる、なんて話もありましたっけ。でもいいや、わたしゃ、もう嫁いでるしね、ルン。
(次回は4月6日号掲載)

(プロフィール)兵藤ゆき(ひょうどう ゆき)深夜ラジオのパーソナリティーを皮切りに、1982年テレビ界に進出。96年長男誕生後、夫の留学先であるNYで子育てを中心に生活。現在は、NYと日本を行き来し活動中。NYで見た参考になる子育てをまとめた本「子どもがのびのび育つ理由」など著書多数。新刊、NYでの英語体験を漫画とエッセーでまとめた「これで英語がちょっとできるようになりました。」(アスコム出版)も好評発売中。現在、テレビ、ラジオ、執筆などで活躍する傍ら、NYでの子育てや異文化体験の講演依頼も多数あり、全国に出向いて行っている。ストレスフリーをテーマにしたインナーなどのブランド「ゆきねえインク」を立ち上げ、デザイナーとしても活躍中。小学校英語準認定指導者資格、チャイルドコーチングアドバイザー資格、ペット介護士資格、各種洋裁正教員資格を有する。

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