〈コラム〉ファイナンシャルアカデミー代表 泉正人「社会人のための資産運用」第5回

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ライフプラン まずは5年間の計画をしっかり実現

今までの日本では、家や車の購入、保険の加入も、長期的な目線で計画をたてるというのが、常識とされてきました。
しかし、今、社会に出てから60歳になるまで、年に数%収入が上がっていく、という前提でライフプランニングをすると、どうなるでしょうか。ほとんどの場合その計画は、人生の途中で破綻してしまうでしょう。
もちろん、今でも長期的なライフプランや目標を持つことは大切なことです。しかし、そのライフプランは、右肩上がりの給料や、年々数%増えていく貯金を前提に考えてしまってはいけないのです。
人間の変化のスピードよりも社会の変化のスピードのほうが早くなっているので、今の世の中で20年、30年後の社会を想定することはとても難しくなっています。
これからは、一度ライフプランを作っても、状況の変化を見ながら、定期的に見なおしていくことが必須だと言えます。
まず、5年間のライフプランを作成してみましょう。10年、20年のサイクルだとその間に、経済に大きく影響を及ぼす事件や変化が何度も起きてしまいます。
そして、決めたプランを5年間放っておくのではなく、そのプランを1年ごとに見なおしていきます。
5年後までのプランを決め、1年経ったら、またそこから5年のプランを決める、というサイクルを繰り返すと、常に、今から5年後のライフプランが決めておくことができます。また、時代や自身の状況の変化も、素早くライフプランに反映することができます。
短期のライフプランをしっかり実現していくことが、変化の早い社会で、長期的な目標を実践するための近道だと、私は考えています。ぜひ、実践してみてくださいね。
(次回は7月7日号掲載)

「お金の教養」〈プロフィル〉泉 正人(いずみ まさと) ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長、神戸夙川学院大学客員教授。経済入門から資産運用までの幅広いファイナンシャル教育を行う。受講者が18万人の「お金の教養」=写真=プログラムをニューヨークでも開催。http://us.Financial.ac

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