〈コラム〉花の有難さ

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ゆき姐のHappyに生きまっしょい! 第13回目

日よけ用のバラのつぼみがたくさん付きました。赤いバラのようです。咲くのが楽しみだなあ

日よけ用のバラのつぼみがたくさん付きました。赤いバラのようです。咲くのが楽しみだなあ

東京は桜の花は散りましたが、赤や黄色のバラの花があちこちで咲いています。NYの皆さまいかがお過ごしですか?
さて、うちの夫は植物好きで、庭に様々な花を植え、毎日手入れにいそしんでいます。去年はベランダにネットを張って、そこにツルをはわせてバラの花の日よけを作り、その下に寝そべって読書をしようとバラの苗木を植えたのですが、ちゃんと成長してツルはいっぱい伸びたものの、つぼみは付かずがっかりしていました。ところが今年は見事につぼみがたくさん付き、咲くのを今か今かと待ち望んでいます。こんなに植物好きならトマトやキュウリなど食べられるものも植えたらどうよ、と夫に言ったら、自分が育てたものを食べるのは忍びない、だと。なんじゃそりゃ、と思いましたが、個人の感情ばかりは妻とて変えるわけにはいかず、へ〜、そうなんだ〜、と言っておきました。でも、花はいいですね、枯れたかな? もうだめかな? と思っていたものが、可愛い芽を出したり、いつのまにかポッと小さな花を咲かせてくれたりしたら本当に心が癒されます。生きていたのね、と目を細めてしまいます。東北の被災地でも、がれきの山の間に名もない小さな花が咲き、愛しそうに見つめている人々の映像をテレビで見ました。亡くなった方々の49日の法要に間に合うようにと、日本全国からたくさんの花が送られてきたニュースも見ました。花を手にして、土台だけになってしまった自分の家の前でたたずむ初老の男性の姿を新聞で見ました。花たちが少しでも被災した方たちの心を癒やしてくれたらと願わずにはいられません。
東京ではだいぶ余震が少なくなりました。節電のため煌々と輝く繁華街のネオンや、歩く歩道、地下鉄のホームの隅っこにある誰も利用しないであろう自動販売機など、なくても大丈夫そうな電気機器の電気が随分と消されています。最初はちょっと暗いなあと思いましたが、もうみなさん慣れた様子で、お陰で夜空の星が前よりよく見えるようになったね、今までが明るすぎたのよ、夜は暗いのが普通なんだから、なんて言っています。
震災から間もなく2カ月、少しずつ日本は前に進んでいます。

(プロフィール)兵藤ゆき(ひょうどう ゆき)深夜ラジオのパーソナリティーを皮切りに、1982年テレビ界に進出。96年長男誕生後、夫の留学先であるNYで子育てを中心に生活。現在は、NYと日本を行き来し活動中。NYで見た参考になる子育てをまとめた本「子どもがのびのび育つ理由」など著書多数。新刊、NYでの英語体験を漫画とエッセーでまとめた「これで英語がちょっとできるようになりました。」(アスコム出版)も好評発売中。現在、テレビ、ラジオ、執筆などで活躍する傍ら、NYでの子育てや異文化体験の講演依頼も多数あり、全国に出向いて行っている。ストレスフリーをテーマにしたインナーなどのブランド「ゆきねえインク」を立ち上げ、デザイナーとしても活躍中。小学校英語準認定指導者資格、チャイルドコーチングアドバイザー資格、ペット介護士資格、各種洋裁正教員資格を有する。

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