〈コラム〉「理香先生の歯のアドバイス」第12回

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正しいデンタルフロスの使い方

歯と歯の間に優しく前後に擦り入れて

デンタルフロスを使うことは虫歯や歯周病予防に最適で、歯科医や米国歯科医師会も歯磨きの際、一日1回フロスをすることを勧めています。
しかし、多くの人がフロスの使い方を間違えていて、その効果が現れていません。フロスを使う時間を有効に使うにはどうしたらいいでしょうか。
では、フロスの正しい使い方を説明します。
(1)まず18インチ(45センチ程)のフロスを用意して、端の部分を2、3回両手の中指に巻きつけ、親指と人差し指でフロスを持ちます。2本の指の間でフロスを2センチ3センチくらいに短く使うようにすると、動かしやすくなります。
(2)歯と歯の間にフロスを優しく前後に擦り入れます。強く押し入れるとその衝撃で歯茎を傷つける恐れがあります。
(3)フロスを歯茎に近い部分まで引き下げて、歯の周りをC型にしっかり囲むようにして歯と歯茎の間を上下に3回ほど動かします。この時、歯にフロスがしっかり密着している事を確認しましょう。これは歯に粘着した歯垢を落とすのに効果的です。全ての歯と歯の間で、この動作を繰り返し、少しずつずらしながら、常に新しいフロスの部分を使うようにします。
(4)歯の一番奥の後ろ側や隙間の部分も忘れずにフロスをするようにしましょう。
ほかに幾つか覚えていてほしいコツがあります。一つは急いでいる時にはフロスをするのは避けましょう。焦って歯茎を傷つける危険があります。もしあなたがフロスをしばらく行っていない場合出血があるかもしれませんが、そのまま続ければ2週間ほどで直ります。
次にお子さんがいる場合、歯と歯の間をしっかりフロスしてあげましょう。子供が自分でフロスするのは難しいので、10歳くらいになるまでは親が手伝ってあげるとよいでしょう。
最後にフロスの種類はワックスつき、もしくはワックスなし、テープタイプのもの、毛羽立っているもの、すでに切られて長さが決まっているもの、などありますが、自分にとって使いやすいものを選ぶことが重要です。
フロスを使いたくない人や上手く使えない人達にはフロスの代用になるものがあり、これらは全くフロスをしないよりは良いと思います。「ウォーターピック」と呼ばれる水圧をあてるものや、エアーフロッサーズという空気圧を利用したピックなど売り出されています。
どんなフロスが自分に合っているのか歯科医に相談して、使い方を躊躇せず質問してみましょう。
Rika Furukawa〈プロフィル〉古川理香(ふるかわ りか) メリーランド大学ボルチモア校歯学部卒業。AGD、ADA、NYSDA会員。ニューヨークで歯科医として「Rika Furukawa, DDS, LLC.」開業。

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